公的年金には世代間格差、50歳は逃げ切れる?

数年前から話題になっている公的年金の世代間格差。若い世代ほど不利というのは本当にそうなのでしょうか? 世代間格差があるとして、現在50歳前後の人の年金はどうなるのでしょう?

 
50歳が将来もらえる年金は?

50歳が将来もらえる年金は?



日本の公的年金は、将来にわたって安定的な給付ができるかどうかを見通すために5年に一度、財政検証を行うことになっています。2019年の財政検証によれば、生年度による65歳時の所得代替率は次の通りです。
  • 1954年生まれ 65歳 … 61.7%
  • 1959年生まれ 60歳 … 60.2%
  • 1964年生まれ 55歳 … 58.6%
  • 1969年生まれ 50歳 … 56.6%
  • 1974年生まれ 45歳 … 54.1%
  • 1979年生まれ 40歳 … 51.7%
  • 1984年生まれ 35歳 … 50.8%
(年齢は2019年時点。「2019年財政検証関連資料」の「生年度別に見た年金受給後の厚生年金の標準的な年金額(夫婦2人の基礎年金含む)の見通し」、出生中位、死亡中位、ケースⅢより)

ちなみに所得代替率とは、その時点での現役男子の平均手取り収入に対する公的年金額の割合です。

1954年生まれの所得代替率が約62%であるのに対し、1969年生まれの50歳は約57%と下がっていますが、1984年生まれの35歳の約51%に比べればマシという受け止め方もできます。とはいえ50歳が逃げ切りといえるかは微妙なところ。

しかしこれは、あくまで受け取り始めた時点での話で、受け取り始めてからも公的年金額は変更される点に注意が必要です。
 

75歳での比率は47.6%に減少

前出の資料には、受け取り始めたあとの比率がどのように変化するかも記載されています。

10年後の75歳時点での比率は次の通りです。
  • 1954年生まれ 75歳の時点では … 53.5%
  • 1959年生まれ 75歳の時点では … 50.6%
  • 1964年生まれ 75歳の時点では … 49.3%
  • 1969年生まれ 75歳の時点では … 47.6%
  • 1974年生まれ 75歳の時点では … 46.4%
  • 1979年生まれ 75歳の時点では … 45.9%
  • 1984年生まれ 75歳の時点では … 45.6%
(「2019年財政検証関連資料」の「生年度別に見た年金受給後の厚生年金の標準的な年金額(夫婦2人の基礎年金含む)の見通し」、出生中位、死亡中位、ケースⅢより)

年金をもらうようになった後は、年々、現役世代に比べると少なくなっていくのです。現役世代の手取り収入の伸びほどには年金は増えないようです。
 

公的年金には期待しすぎず、無視をせずのスタンスで

これじゃあ老後の生活は成り立たないのでは?と思った人もいることでしょう。財政検証は、あくまでも様々な条件を仮定した上での試算です。自分が実際にいくらもらえるかは、現役時代の収入や、その後の社会や経済動向などにより違ってきます。しかしながら、全体的には、このような方向に進みそうということです。

日本の公的年金は、高齢者が受け取る年金を、その時の現役世代が払う保険料でまかなう世代間扶養の仕組みです。寿命が伸びて高齢者が増える一方で、生まれてくる子どもの数が減る少子高齢社会では、やりくりが厳しくなることは容易に想像がつきますね。そのため公的年金には税金も投入され、受け取る基礎年金の半分は税金でまかなわれています。

それでも、公的年金だけで豊かな老後を送ろうというのは、難しそうです。その前提でセカンドライフの資金計画を立てたほうがいいですね。

ならば、公的年金はなくてもいいかというと、現役世代の手取り収入の4~5割程度をもらえるわけですから、やはりなくては困りますね。公的年金のメリットは、生きている限りもらえること、物価に連動すること(100%ではありませんが)、老後の年金をもらう前に障害者になってしまった場合は障害年金をもらえることです。
 

年金関連のニュースに注目

期待しすぎず、かといって無視はせず、年金関連のニュースに注目し、情報収集しておきましょう。2015年10月に、これまで別々だった民間会社員と公務員の年金が一元化されました。このように公的年金は仕組みの改正も行われます。

公的年金の動向を知った上で、あといくら自分で準備するかを考えるということです。老後の計画を立てる上で、公的年金の情報はやはり欠かせません。

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