ーージョヴァンニさんにとって『春の祭典』とは?
ジョヴァンニ>レオニード・マシーン振付の『春の祭典』、ジョン・ノイマイヤー振付の『春の祭典』、そしてウヴェ・ショルツの『春の祭典』。いろいろな振付家の『春の祭典』を踊ってきましたが、なかでもウヴェ・ショルツのバージョンは私にとってスペシャルです。彼が私のために振付をしてくれた。カンパニーには何人ものダンサーがいたけれど、そのなかで私を選んでくれたということで、やはり特別なものがあります。
実は、初演時も最初はダブル・キャストでの上演が予定されていました。けれど三月の初演に向け二月からクリエイションをはじめるなどあまりにも時間がなく、結局もうひとりのキャストはこれではできないということで降り、私だけこの作品を踊ることになりました。以来私しか踊ったことがありません。違うダンサーが踊るのは今回が初めてです。
『春の祭典』リハーサル(c)miki sato
『火の鳥』、『春の祭典』、『悪魔の物語』(『兵士の物語』)、いずれも従来の長いバージョンで上演することもできたでしょうし、『春の祭典』はオーケストラバージョンで上演することもできたでしょう。けれど今回はこの三本立てバージョンでの上演ということで、とても特別なステージになりそうです。強い感情を観客と一緒にシェアできる作品であり、ダンサーとして出演する立場としても心揺さぶられながら演じています。
私自身この三つの作品に振付指導やダンサーとして加わっていますが、それぞれとても強く、すばらしい振付家たちと一緒に仕事ができました。みなさん使っているダンスの言語も違い、またそれが強調されて作品に取り入れられている。ユーリ・ン、江上悠さん、マルコ・ゲッケ、ウヴェ・ショルツ。それぞれの振付家たちから非常に大きな情熱と愛を感じています。
(c)miki sato