マルコ・ゲッケ振付『火の鳥』のパ・ド・ドゥ
2014年、酒井はなとロバート・テューズリーにより日本初演。今回は酒井はなと元シュツットガルト・バレエ団プリンシパルのアレクサンダー・ザイツェフが出演します。振付指導は、元ライプツィヒバレエ団プリンシパルのジョヴァンニ・ディ・パルマ。
『火の鳥』(c)Hidemi Seto
ーー作品についてお聞かせください。
ジョヴァンニ>『火の鳥』はヨーロッパで活躍するとても才能のある振付家のひとり、マルコ・ゲッケの作品です。彼のキャリアはシュツットガルト・バレエの常任振付家としてはじまりました。その後オランダのスカピノ・バレエ・ロッテルダムで専属振付家として活躍し、現在はネザーランド・ダンス・シアターの振付家を務めています。
初演は2010年、スカピノ・バレエ・ロッテルダムのためにつくられました。ストラヴィンスキーの音楽で振付けされたとても美しい作品です。今回出演者するのは、日本の有名なバレリーナ・酒井はなさんと、シュツットガルト・バレエ団でプリンシパルを務めていた世界的スター、アレクサンダー・ザイツェフさん。
マルコ・ゲッケの作品には私もダンサーとして何度か関わってきましたし、クリエイションにもたびたび参加してきました。そこで感じたのは、彼はとてもミニマリストな振付家だということ。いわゆる振付の言語が強いだけではなく、同時に弱さも持っている。例えば震えてみせたりと、繊細な美しさを身体で表現するのです。特に『火の鳥』に関しては、振付の強さが強調されているだけでなく、作品の持つ繊細さが重視されているように感じます。
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『火の鳥』リハーサル(c)miki sato