服につく防虫の基礎知識……高い衣類から被害に!
晩秋に一度出して点検したコートやワンピース、仕事で着用しようと初冬に出してみてびっくり! 黒い服になにやら黄色っぽいゴミがいくつかついていると思って払ったら、至るところに穴があいていました。
慌てて家中のクロゼットを調べてさらにびっくり! 離れた部屋にある息子のクロゼット、廊下にあるコート用のクロゼットすべてで虫食いの被害が! しかも、高い服から順番に被害に遭うという悲しさ。よく見ると防虫剤の使用期間が過ぎていました。慌ててすべての服を出して掃除をし、衣類の点検しましたが、ちょっと気を抜くだけで、短期間にこれだけの被害を出すとは、驚きです。
調べたところ、ついていたのはヒメマルカツオブシムシ。外に干している洗濯物などに付いて室内に侵入し、幼虫の食料となるウールなどに卵を産み付けるのだそうです。卵からかえった虫達は、冬を越すまで脱皮を繰り返し、衣類を食べ続けます。どうやらこれが、ほんの少しの気のゆるみで、わが家に大発生していたのです。ほかにもヒメカツオブシムシ、イガ、コイガなどの虫が衣類の天敵です。
服の防虫剤は芳香・熱による対策を念入りに
良質素材のスーツやコートには防虫カバーが効果的
洗濯物や花などから室内に虫は侵入します。防虫対策は以下の方法で。
<予防>
- 虫は白い布や花が好き。シーツなど白い物を干すときはよく叩いてから取り込む
- 虫はカシミア、ウールなど良質の自然素材が好き。レーヨンやポリエステルが混じっていると避けていきます。防虫剤を使用する際は、良質の自然素材を集めて集中的に対応すると効率的
- 自然素材のものは密閉できる容器に入れて防虫剤を入れる。防虫剤は上から下に流れるので、底に置かず、上の衣類に置くことが大事
- クロゼットでは、特に虫が好む自然素材の衣類には防虫カバーをかけると集中的に対応できる
- 防虫剤には期限があるので、かならず開けた日付を書き込み、時間がきたら取り替える
虫がついてしまった衣類はスチームアイロンをかけることで死滅させます
- ブラシをかけて虫を取り、スチームアイロンをかける。熱で虫は死滅する
- クリーニングでも虫は死ぬので、必要ならクリーニングに出す。良質素材の場合は、防虫加工をしてもらうと安心
- 穴はクリーニング店や洋服修理店で、かけはぎなどの技術で修復してもらえることも多いので、相談してみて
服の防虫剤の選び方と、盲点になりがちな使い方の注意
防虫剤成分の室内空気汚染には注意が必要です
防虫剤は、現在無臭のものが主流で、クロゼット、たんすなど収納場所別にさまざまな形態があります。有効期限も半年から1年と違っているので、使用用途に合ったものを選びましょう。
この際、防虫剤の原材料についても、製品の成分表示を見て確認しましょう。もし、衣類を収納しているクロゼットが寝室内にある場合、防虫剤の成分が室内に流れ出すことになります。防虫剤成分は空気より重いので床近くに集まり、特に布団を敷いて寝ている人にとっては、吸引する可能性が高くなります。
また、季節的に冬場は換気の頻度が減るので、日中に放出された防虫剤成分が密室内で蔓延したままの部屋に寝ることになります。最近の防虫剤は無臭なので、無自覚のうちにこうした空気を寝ながら吸い込んでしまいます。
家電メーカーの調べによると、寝室の多くでこうした空気汚染が見られるとのこと。防虫にばかり気持ちが向いて、こうした室内空気汚染を招いてしまわないよう、注意が必要です。
服の防虫剤による寝室の空気汚染を防ぐには
寝室に隣接するクロゼットには自然素材の防虫剤を選びましょう
こうした寝室の空気汚染を防ぐ方法は以下です。
- 寝室に隣接するクロゼットには、化繊など虫のつきにくい衣類を集め、ヒノキやひばなどの天然芳香剤で防虫をする。脱脂綿にエッセンシャルオイルをしみ込ませたものでも効果がある
- 冬場でも寝室の換気をよくしておく
- 虫がつきやすい素材は集めて、玄関脇や廊下、納戸など寝室と離れた場所に保管する
- セーター類は密閉できる容器に入れて防虫剤を入れる。コートやワンピース、スーツ類は防虫カバーをかけて、上記のような場所に収納する
健康に配慮しながら、大切な衣類を守る工夫をしていきたいものですね!
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