ワインとチーズの販売開始
パーラー江古田、入口の看板はそのままメッセージボード
「自由なワインとチーズの販売してます」。
通りひとつぶん移転し、民家を改装した店舗で2015年4月からワインとチーズの販売も始めた「パーラー江古田」。相変わらず店先に行列ができることも多いけれど、席数は増え、入口は開放的になり、いっそうおおらかな空気の流れが感じられるようになりました。
こんがり焼けた素朴な表情のパンが並ぶ
パン売場の先にチーズのショウケース
ワインとチーズを販売するようになって、お客さんとの関係性で変わったことは?と尋ねると、「そういうものをパンと合わせよう、という提案だけでなくて、ワインやチーズの作り手の話もできるようになったことかな」と店主の原田浩次さんは言います。
原田浩次さん
「バゲット」と言っても作り手によってさまざまなバゲットがあることを皆が知るようになった今、ワインやチーズについてもたんに種類だけでなく、作り手による違いを感じる楽しみがある、という話。ちょっと食べてみたい。飲んでみたい。奥が深い。パーラーのパンを取り巻く食文化がここでまたひとつ熟成したように思います。
パーラーのワインセラー
看板に掲げられた「自由なワイン」というのは、既存の製法にとらわれない生産者のワインのことなのだそうで、新しいパーラーの裏にはさまざまなイタリアワインの並ぶ貯蔵庫が備えられ、「トロリとした質感の味わい深い白」「偉大な父のあとを継ぐ子たちの新たな挑戦」など、手書きしたタグがそれぞれのボトルの首にかけられています。価格は2000円台から。
グラスワインは赤、白それぞれ数種類から選べる
スタンディングバーで愉しむ
スタンディングバー
店先に行列があっても、新しいパーラーでは着席しなくていい人はスタンディングバーが空いていれば早めに案内してもらえるということもあります。壁に向かって立つことになりますが、そこに書かれたワインの生産者やパン屋さんのサインや落書きを眺めながら、一人でサクッと食べたり、飲んだりもよし。この落書きを書いた人について、「これはフランスでワインをつくっているポルトガル人、これはイタリアでワインをつくっているベルギー人、これは日本でワインをつくっているフランス人の……」と説明を聞けば笑ってしまうのです。自由な雰囲気の中、スタンディングでも十分楽しく過ごせます。
ワインとサルシッチャ