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シルヴィ・ギエム高松宮殿下記念世界文化賞受賞!(3ページ目)

シルヴィ・ギエムが2015年第27回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞! 今年末の引退公演を前に来日し、授賞式典に臨みました。ここでは、受賞式および記者会見の模様をお届けします!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


引退を決断した理由とは?

ギエム>人生には全て初めがあり、そして終わりがあると考えています。この決断もそうしたことの一環です。私はとても恵まれていて、非常に若い頃から国際的なキャリアを積むことができました。多くの著名な方たちと仕事をすることができました。そして今なお自分のやりたいように、意欲を持って踊り続けることができています。

私は、最後の瞬間についても自分で決断したいと考えていました。例えばケガだったり、意欲がなくなったり、やりたいことができなくなったり、といった理由で最後を迎えることは決してしたくありませんでした。最後も自分できっぱり辞めたいと思っていたんです。実際、外部の何かしらの理由で辞めざるをえなくなったということではなく、自分で決断しました。遅すぎるよりは早い方がいいと思っています。

実は夫に“私が自分で舞台を去る日を冷静に判断することができなくなったら言ってちょうだいね”と伝えていました。ずっと踊り続けて、舞台を去ることができなかったら私を殺すようにと夫に託していたんです(笑)。本当にそういうことがなくて良かったと思っています。でもあるジャーナリストにそれを話したら、“じゃあ私がご主人を殺せば、あなたはずっと踊り続けてくれるんですね”と言われたことがありましたけど(笑)。

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(C) TOKIKO FURUTA


最後の公演場所としてなぜ日本を選んだのでしょう。

ギエム>実は偶然だったんです。私は人生において沢山の偶然に会いました。引退を決意したのも遅い時期でしたし、そこからクリエイション活動に入り、劇場に提案したり、準備を始めたりと、いろいろ慌ただしいなかで偶然が重なり、日本が最後になりました。

偶然でしたけど、とても意味があったと思います。私が初めて飛行機に乗って辿り着き、海外でステージに立ったのが日本でした。バレエ学校のときのことです。そして最後の舞台がこの日本ということで、とても縁があると感じています。

当時から日本はとても印象的な国でした。まるで別の惑星に辿り着いたように興奮して、わくわくしたことを思い出します。おそらくいろいろなことを発見したり勉強することができる国であり、自分がこの国を好きになるだろうという予感がありました。

以来公演のために来日するたびに、せっかくだからといろいろな場所を観光したり、職人に会ったり、洗練された美意識を持つ日本の文化を少しでも理解しようと務めてきました。そうした経験は、踊り手として成長するひとつの糧になったのではないかと思っています。

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『カルメン』2013年 マッツ・エック振付 共演:東京バレエ団 撮影:長谷川清徳 写真提供:日本舞台芸術振興会



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