バーバパパは何者?フランス生まれの優しくて頼りになるお父さん
バーバパパとは何者?
<目次>
何者なのか……バーバパパはおばけじゃなかった⁉︎
日本で初めて出版されたバーバパパの絵本の邦題は、『おばけのバーバパパ』でした。そのため、日本ではバーバパパはおばけだと思われていますが、実はバーバパパが何者であるかはどこにも書かれていないのです。フランスのバーバパパのオフィシャルサイトによれば、バーバパパはお花のように土から生まれたというのです。たしかに、『おばけのバーバパパ』には、バーバパパ誕生の様子が描かれています。ピンク色をした小さな丸いものが、土の中で少しずつ大きくなって、ついに目を覚ますとバーバパパとなって土の中から出てきます。
ところが、後述の『バーバパパたびにでる』では、バーバパパの子どもたちは、バーバパパとバーバママが土の中に埋めた卵から生まれてくるのです?! 小さくて真っ白な卵が何週間も経つうちに、それぞれ個性的な色を獲得した愛らしい子どもになって、土の中から生まれ出てきます。
なんとバーバパパとその子どもたちは、卵生の生き物だったのですね! バーバパパたちは、その風貌や体の形を自由に変えられることなどから、一見西洋のおばけのように見えますが、卵生のおばけというのは信じがたい……。本当のところ、バーバパパは何者なのでしょうか? テイラーさんがお亡くなりになり、真実は永遠の謎になってしまいました。
【書籍データ】
書籍名:おばけのバーバパパ
作:アネット=チゾンとタラス=テイラー
訳:やましたはるお
出版社:偕成社
推奨年齢:4歳くらいから
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絵本のカバーに隠れていた?! バーバパパ命名秘話
絵本を読む時、本文だけを楽しんでいてはもったいないことがあります。絵本の中には見返しや扉などにも趣向を凝らした、楽しい作品がたくさんあるのです。バーバパパのシリーズにもそんな作品がありました。『バーバパパかせいへいく』のカバー折り返し部分には、バーバパパの命名秘話が、さらりと書かれています。さて、バーバパパの名前の由来とはいったいなんでしょうか?2つの意味を持つ名前バーバパパ(Barbe a Papa)
『バーバパパかせいへいく』は、バーバパパ一家が火星を訪れる愉快なお話です。発明が大好きな子ども・バーバピカリが火星から来た通信をキャッチすると、そこには音楽のような響きがありました。「火星にも音楽好きがいるなら、会いに行こう!」とバーバパパたちは、火星をめざします。そんな奇想天外な絵本のカバーに、バーバパパの名前と誕生の秘密が書かれているなんて誰が想像するでしょう? カバーにはこんな風に書かれています。
バーバパパは、偶然の出会いから生まれた作品なのですね。(バーバパパの生みの親、チゾンさんとテイラーさんは、)ある日、ぐうぜん、パリの喫茶店でとなりどうしになり、いたずらがきを交換しているうちに、ゆかいなバーバパパが誕生したのでした。<バーバパパ>という名まえは、みなさんも大すきな、あの<わたあめ>から思いついた名だそうです。
どこにバーバパパが写っているかわかる? ほら、そのピンクの……
Barbe a Papa はもともと「パパのひげ」という意味ですが、そこから転じてフワフワのおひげのようなわたあめも、バーバパパと呼ばれるのだとか。フランスではピンク色のわたあめが多く、出来上がったキャラクターにぴったりだったので、そのままバーバパパという名まえがつけられたそうです。
【書籍データ】
書籍名:バーバパパかせいへいく バーバパパえほん9
作:アネット=チゾン/タラス=テイラー
訳:やましたはるお
出版社:講談社
推奨年齢:4歳くらいから
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いつも仲良し! バーバパパとバーバママ
「ムーミンパパとムーミンママ」や「しろいうさぎとくろいうさぎ」など、絵本に登場する仲良し夫婦はたくさんいますが、バーバパパとバーバママも彼らに優るとも劣らないおしどり夫婦です。頼りがいのあるお父さんに優しいお母さんという、文字通り絵にかいたような仲良し夫婦は、どのような経緯で結ばれたのでしょうか?バーバパパ、婚活の旅にでる!
バーバパパの婚活の様子は、『バーバパパたびにでる』に、それはもう詳しく描かれています。そもそも婚活を始めたのは、お医者さんのアドバイスからでした。お医者さんは、訳もなく元気がなくなってしょんぼりしているバーバパパを見て、お嫁さんが必要だと診断しました。そこで、バーバパパはバーバママになってくれる人を求めて旅に出たのです。友だちのフランソワとクロディーヌも、バーバパパについていくことになりました。3人はロンドン、インド、ニューヨークとまわりましたが、バーバママを見つけることができません。そこでよその星も訪ねてみましたが、やっぱりバーバママはいないのです。がっかりしながらおうちに帰ったバーバパパでしたが、ついにあるところでバーバママに巡り合うことができました。
バーバママをうっとり見つめるバーバパパの幸せそうなこと! 相思相愛であることは一目でわかります。そしてここから、子どもを授かるために、先にご紹介した卵を土に埋めるくだりへとお話が続いていきます。
いつの世も、婚活は厳しいものかもしれませんが、それにしてもバーバパパの情熱には驚かされます。世界一周では飽き足らずに宇宙まで伴侶を求めて旅するのですから。これほど望まれてお嫁さんになるバーバママはなんて幸せ者なのでしょう。もしかしたら、作者のチゾンとタイラー夫妻の関係が投影されているのかも……などと想像してしまいますね。
【書籍データ】
書籍名:バーバパパたびにでる バーバパパえほん1
作:アネット=チゾン/タラス=テイラー
訳:やましたはるお
出版社:講談社
推奨年齢:4歳くらいから
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バーバパパは7人の子だくさん!
バーバパパには、男の子4人と女の子3人、合わせて7人の子どもがいます。時にはやんちゃないたずらっ子に変身することもあるけれど、みんなとても個性的でかわいい子どもたちです。優しい両親の許で、のびのびと育つ子どもたちをまとめてご紹介しましょう。この機会に、子どもたちの名前もぜひ憶えてくださいね。みんな違ってみんないい! 7色の子どもたち
バーバパパの子どもたちは、一目で見分けがつきます。それはもちろん体の色が違っているから。でも、違いはそれだけではありません。好きなことや得意なことがみんな違っていて、とても個性的なのです。それでは、さっそく7色の子どもたちの名前と特徴を見ていきましょう。
シリーズ全体から子どもたちの特徴をピックアップしました
子どもたちが、それぞれの得意分野を活かしてとても素敵な先生に変身します。生徒たちが面白いと思うことを大切にしながら、子どもたちの知的好奇心を満たしていく様子はお見事としか言いようがありません。「私もこんな学校へ行きたい!」という小さな読者たちの声が聞こえてくるようです。
バーバパパの学校は、いつも子どもたちを楽しませようとするチゾンとタイラー夫妻の絵本づくりに通じるものがありますね。小さな読者に寄り添った絵本だから、45年の長きにわたり子どもたちから支持され続けたのでしょう。
【書籍データ】
書籍名:バーバパパのがっこう バーバパパえほん4
作:アネット=チゾン/タラス=テイラー
訳:やましたはるお
出版社:講談社
推奨年齢:4歳くらいから
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※参考
ご紹介できませんでしたが、バーバパパには「バーバパパえほんシリーズ」だけでも他に6冊の作品があります。通してお読みいただくと作品の世界をより楽しむことができます。ぜひ、お手にとってご覧ください。
- バーバパパえほん2 『バーバパパのいえさがし』
- バーバパパえほん3 『バーバパパのはこぶね』
- バーバパパえほん5 『バーバパパのだいサーカス』
- バーバパパえほん6 『バーバパパのプレゼント』
- バーバパパえほん7 『バーバパパのしまづくり』
- バーバパパえほん8 『バーバパパのなつやすみ』