アーティストが集う街、世界遺産「エッサウィラのメディナ」
漁港そばの稜堡から眺めたエッサウィラのメディナ
そのためか多くの画家やミュージシャンに愛され、現在もたくさんのモロッコ人が新婚旅行先にこの街を選ぶという。今回はそんなモロッコの世界遺産「エッサウィラのメディナ[旧名モガドール]」を紹介する。
アーティスティックな青と白の街
メディナを守る城壁と白壁の家並み
青と白で彩られたエッサウィラの家並み。こちらはメディナの外。馬車の色まで統一されている
「メディナ」と呼ばれるエッサウィラの旧市街は大西洋に突き出した半島状の土地で、暖かく乾燥した気候から1年を通して青い海と青い空に囲まれている。そこに建つ白壁の家々は青い貝殻にはらまれた真珠のよう。ドアや窓枠を彩るワンポイントの青が美しいコントラストを描き出している。
何気ない家並みや壁がとてもアーティスティック
だからアーティストが集まるのか、アーティストが集まるから魅力的なのかはわからないが、古くから多くのアーティストを魅了し、特にボブ・マーリーやジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン、キャット・スティーヴンスといったミュージシャンに愛されてきた。
実はエッサウィラは「音楽の街」としても知られている。アラブや西アフリカのさまざまな音楽が演奏されているが、特に盛んなのがグナワと呼ばれる音楽だ。弦楽器ゲンブリと打楽器カルカベ、人の声を用いてミニマルなリズムを繰り返す民族音楽で、演奏を聞いたり踊ったりして楽しむだけでなく、音楽療法や人々をトランス状態に導く宗教音楽として伝えられている。6~7月にエッサウィラで開催されるグナワ・フェスティバルには世界中から観客が集まってくる。