年末調整の手続きは、扶養親族がポイント
年末調整のポイントは扶養家族のチェックです
多くの場合、差額が発生し所得税が還付されます。特に扶養親族がいる人や保険料を払っている人は、年末調整時の精算によって、過払い分が戻ってくることが多いです。正しく記入して過払があればしっかり返してもらいましょう。
年末調整の申告書類の記入について、総務担当者からみて誤りが多い、しっかり書いて欲しいポイントをご紹介します。
ポイント1 扶養親族の異動を正しく反映させる
会社によって年末調整のやり方に多少違いはあるかもしれませんが、一般的に今年(平成27年)の年末調整向けに配布される書類は- 平成28年分 扶養控除等(異動)申告書
- 平成27年度分 給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書の2枚です。
今年の年末調整は、昨年末に提出した「扶養控除等(異動)申告書」を用いて計算されます。今年結婚した人、親を扶養に入れた人など扶養親族の異動があった人は、あらためて総務担当者に確認しておいた方がよいでしょう。
ちなみに扶養の現況は年末(12月31日)の段階で判断されるので、たとえば12月に結婚して配偶者を扶養に入れた人の場合でも、1年間扶養していたとみなされ、所得控除を受けることができます。
ポイント2 所得見積額欄には給与所得控除後の見込み金額を書く
「扶養控除等(異動)申告書」の所得見積額欄も間違いやすい項目です。この欄は、収入額ではなく所得金額を書いてください。所得とは収入額から65万円を引いた金額です。65万円は「給与所得控除」というもので、サラリーマンの必要経費を一定の範囲認めようという意味合いのものです。所得見積額欄に記入する数字は、必ず38万円以下の数字です。所得控除を受けることができる人の所得は、38万円以下でなければならないというルールがあるからです。
「103万の壁」という言葉を聞いたことがあると思いますが、扶養所得控除を受けるには、収入103万円以下の扶養親族でなければなりません。収入(103万円)から65万円(給与所得控除)を引いて所得金額を求めると、ちょうど38万円になりますね。
また所得見積額欄は、翌年の見込額を書きます。今年の年末調整は昨年提出したものに基づいて計算されるので、扶養親族が見込み額よりも収入が増えて扶養から外れることになるような場合も、総務担当者への申し出が必要です。
なお収入が65万円以下で、所得が0円となった場合でも空欄とせず、0円と記入しましょう。
ポイント3 配偶者特別控除にも注意する
給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書の配偶者特別控除は、配偶者に103~141万円の収入があった場合の控除です。配偶者所得控除103万の壁を超えてしまったけれどある程度までは控除を認めましょうという主旨のものです。よくある誤りは、扶養控除等(異動)申告書の控除対象配偶者欄に記入してあるにもかかわらず、こちらにも記入しているケースです。配偶者の収入によってどちらか一方のみになりますから注意してください。