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フリーデマン・フォーゲル インタビュー!(2ページ目)

シュツットガルト・バレエ団が、この冬3年ぶり10度目の来日を実現! 『ロミオとジュリエット』と『オネーギン』全3幕、そして豪華ガラ公演『シュツットガルトの奇跡』を披露します。ここでは、同団プリンシパルであり日本でも絶大な人気を誇るフリーデマン・フォーゲルにインタビュー! 来日公演への意気込みをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


レンスキーとオネーギン、どちらの役が演じる上で難しいと感じますか?

フォーゲル>世界観をつくるという意味ではレンスキー役の方が難しいと思う。何故なら、彼はタチヤーナはもちろんまわりのみんなのことを考えて行動しているから。対してオネーギンは自己中心的な人間であり、自分のことだけしか考えなくていいという部分で、気持ち的に演じるのはラクな部分があります。ただ第二幕の終わりでレンスキーを殺してしまい、“これがあなたの望んでいたことなの?”と攻められる。そこではじめて自分がゼロの人間だということに気づき、第三幕ではそれまでと違って、感情を揺さぶられるような役に変わっていくけれど……。

ロミオもそうですが、オネーギン役を踊った後はメンタル面の消耗がとても激しい感じがします。あまりにも悲劇的な物語を演じるので、翌朝は前の日に事故にでもあったような気分で起きることがある(笑)。そういう意味で言うなら、レンスキー役の方が気軽かもしれません。何故なら、さほど苦しみを感じない内に死んでしまうので、心の葛藤がない状態で踊ることができるから。特に一対一の対決のシーンでは、彼自身何が起こったのかわからないままあっという間に死んでしまう。さよならを言う間もないまま死んでしまうので、ちょっとむなしい感じはありますが……。オネーギンの方は葛藤もするし、いろいろな問題が降りかかるので、精神的な疲労度がかなり違います。

“またレンスキー役を踊ってみたいか?”とよく聞かれます。レンスキー役は素晴らしいソロもありますし、もちろんまた踊ってみたいとは思うけど、短期間の間に両方を演じ分けるのはすごく難しい。オネーギンだったらオネーギン、レンスキーならレンスキーと、同じ公演の期間中はひとつの役を演じ続けないとムリだと思う。

最初にオネーギン役の練習をしたときも、決闘のシーンで思わず気持ちがレンスキーになってしまったり、相手のダンサーもレンスキー役を踊るのが初めてだったので、どちらが倒されるのか一瞬混同してしまうようなことがありました。オネーギン役に関してはデビューから間もないので、しばらくオネーギンにどっぷり浸るつもり。オネーギンという人物を、ひたすら踊り込みたいと思っています。

ph

『オネーギン』 (C)Roman Novitzky



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