ナハリン氏が考案したメソッドGAGAは世界各地に広まり、大きな影響を受けたと語る日本人ダンサーも多くいます。GAGAが目指す身体性とは?
ナハリン>GAGAは我々が実際に動きはじめる前に、自分の身体の声を聞く手助けをしてくれます。努力や喜び、動物としての自分自身、探究する力、そしてフォームを明確化させてくれます。また、GAGAはエネルギーの流れを導き、重力や倒れるということの効果も教えてくれます。ダイナミクスや質感もGAGAにより気付かされます。GAGAにより意識が高まり、感覚が鋭くなります。GAGAはしなやかさの利点や誇張、反対に控えめである美徳など多くを教えてくれます。GAGA dancer ワークショップ
現在のダンサーの構成をお教えください。どのような方法でメンバーを選んでいますか? 定期的なオーディションなどは行っているのでしょうか?
ナハリン>カンパニーダンサーのうち半分はイスラエル人で、半分はさまざまな国の出身です。彼らは2~3年間ジュニアカンパニーメンバーとして踊った経験があり、その後カンパニーに入団しています。ジュニアカンパニーは毎年春にオーディションを行っています。現在カンパニーのダンサーは総勢18名。男女各9名ずつです。ほとんどのダンサーが作品づくりを行っており、そしてGAGAを教えています。今回は1名だけ自身の公演があって来日できませんが、そのほかのカンパニーメンバーは全員来日する予定です。
(C)Maxim Warrat
ダンサーの強靱な身体性もまた、ナハリン氏の世界観を表現する上で欠かせないものだと感じます。ダンサーに求めるものとは?
ナハリン>よくあるケースとして、私の作品を踊ったことのないダンサーに夢中になることがあります。ダンサーは私の共同制作者であり、私の師にもなります。ダンサーは私の探究のなかで大きな役割を果たします。寛大で、知的で、創造的で、情熱的な人々だととらえています。(C)Gadi Dagon