モデル二スモ建築って何?
バルセロナの観光名所を語る上で切っても切り離せないのが、モデル二スモ建築という言葉。モデル二スモ建築とは、19世紀末から20世紀初めまでに、スペインのブルジョア階級の間で流行した装飾の多い豪華な建築様式のことです。当時のバルセロナには繊維関係などで成功したお金持ちが多く、彼らがパトロン、オーナーとなった建築がこの街に点在しています。なかでも目抜き通りのパセジ・デ・グラシア通りは、資産家たちが冨を示すために競って建てたとあり、印象的なモデル二スモ建築が並びます。建築家ジョセップ・プッチ・カダファルク
この記事で紹介するカサ・アマトリェーをモデル二スモ様式にリフォームしたのが、建築家ジョセップ・プッチ・カダファルク。建築家でありながら政治家でもあり、カタルーニャ州の州長としても活躍した凄腕の人物です。カサ・アマトリェー以外には、同じくバルセロナ市内のエシャンプラ地区にある「ラス・プンシャス集合住宅」があります。カサ・アマトリェーの見所
カサ・アマトリェーは、パセジ・デ・グラシア地区にあるアントニ・ガウディの建築物「カサ・バトリョ」の隣にあるブロックを積み上げたような三角屋根が印象的な建築物。持ち主のアントニ・アマトリェーの死後は娘のテレサが1人で暮らし、彼女の死後は財団のものとなり、一般には公開されていませんでしたが、リフォームを経て2014年から見学できるようになりました。さて、そんなカサ・アマトリェーの所有者は、チョコレート会社の社長でした。アントニ・アマトリェーが、1898年に後のカサ・アマトリェーとなる建築物を購入。ジョセップ・プッチ・カダファルクが再建築しました。アントニ・アマトリェーは1階と2階を自宅として娘と共に利用しました。
台所だった1階は、現在カフェとチョコレートショップになっており、当時の流しやコンロなどが残されています。
2階には居間やリラックスルーム、洗面所、テレサの寝室、アントニの寝室などがあり、ガイドが詳しい説明をしてくれます。
一番の見所は、大理石の彫刻があしらわれた大きな暖炉がある食堂です。窓辺にあるカラフルなステンドガラスの装飾も美しく、家の中で最も華やかな部屋と言えるでしょう。部屋にある木製のテーブルや椅子も建築家ジョセップ・プッチ・カダファルクがデザインしたそうです。
家の所有者のアマトリェー氏は、ガラスの器などのコレクションが趣味だったとあり、昔のガラス細工の作品が並んぶショーケースが館内にいくつかあります。
床のタイル、ランプの装飾、動物がモチーフの大理石の彫刻など、小さなアートでいっぱいです。またこの家はバルセロナでいち早く電気を使い始めた家として知られています。ところが当時の電気は不安定で停電になることが多かったため、なんとガスと電気の2重のシステムで家の明かりを保っていたとか。
ガイド付きの見学は英語、スペイン語、フランス語などで約1時間半。最後には、アマトリェー社を買収したシモンコル社のチョコレートボンボンが試食できます。
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■Casa Amatller (カサ・アマトリェー)
住所:Passeig de Gràcia 41, Barcelona
TEL:(34) 93 4617 460
開館時間:10:00~18:30(ガイドツアーは言語によって時間が異なるので詳しくは公式サイトで要確認)
閉館日:なし
料金:14ユーロ(ガイド付きは17ユーロ)