いよいよマイナンバー制度がはじまりました。テレビ、新聞でのマイナンバーに関する報道では個人番号をいかに守るかに焦点があてられていますがマイナンバーには個人番号のほかに法人番号があることをお忘れなく。

法人番号は住所などと一緒にサイトで公開される

NPO法人で自宅住所を登記していれば自宅住所が公開される

NPO法人で自宅住所を登記していれば自宅住所が公開される

法人番号は個人番号より1桁多い13桁の番号で、個人番号と違い公開されます。法人番号には利用範囲に制限がなく、民間での利活用を促進していますので、どんな用途でも使えます。法人番号は登記されている住所に送られますので、会社の住所変更したのに登記を変更していない場合は要注意。

1法人1番号で支店や事業所に対する法人番号はありません。大きな企業のいろいろな事業所から受注している場合、決算の売掛金は事業所ごとになっており、同じ企業かどうか分からない時もありますが、法人番号で一本化することができます。

法人番号なので法人登記されている合名会社、合資会社、有限会社、合同会社、株式会社に番号がつけられます。ほかに国や地方公共団体の機関(公益財団法人、公益社団法人)また一般社団法人、学校法人、宗教法人にも符番されます。事業をしていて申告がある団体(NPO法人など)も対象です。

法人番号は法人番号公表サイトで公開されます。公開されるのは名称、所在地、法人番号。NPO法人や一人で設立した株式会社で自宅住所を登記していれば自宅住所が公開されます。商号や所在地等の変更履歴も掲載されますので、いつ社名変更したかなど履歴をたどることができます。

社会保険の未加入事業者が簡単に分かります

建設業の小さな企業では社会保険の未加入が多い

建設業の小さな企業では社会保険の未加入が多い

法人もしくは従業員が常時5人以上の個人事業では社会保険が強制加入になります。社会保険の半分は企業負担ですが、業績が悪い企業では、企業負担分をなかなか捻出できません。

とくに建設業で曾孫請けの会社では、発注に至るいろいろな段階で抜かれていきますので、仕事を受けてもほとんど利益が残らず、社会保険を負担するとそれだけで赤字になってしまいます。

背に腹はかえられませんので、従業員には辞めてもらい、一人親方(個人事業主)として仕事をしてもらっています。建設業だけでなく運送業やIT系企業にも同様の事例があります。一人親方(個人事業主)は確定申告で売上の報告をしますが、売上は1社のみから受注した形になり、実質的には雇用と変わらないことが分かります。

日本年金機構では新しくできた法人を把握したり、雇用保険の適用事業所と、データを突き合わせたりしています。マイナンバーの運用が本格化すると個人事業主は支払調書を元に売上があった法人番号を記載し、自分の個人番号で確定申告をします。

法人は法人番号とともに、どこの個人事業主(個人番号)に支払ったかを税務署に提出しますので、税務署でガッチャンコすると法人が社会保険を払っておらず、一人親方を雇っている実態が分かるようになります。

社員のコンプライアンス教育をしないとえらいことに

アルバイトに留学生を雇う場合、留学生には"28時間ルール"がある

アルバイトに留学生を雇う場合、留学生には"28時間ルール"がある

アルバイトやパートを雇っていれば給与支払報告書を税務署に出さなければなりません。アルバイトに留学生を雇っている場合、留学生には"28時間ルール"があります。留学生がアルバイトしてもよい上限が決まっていて、週28時間以内。夏休みや春休みなど長期休業の期間中は1日8時間までという上限が決められています。

コンビニなどでは人出不足が続いており、夜間、早朝に日本の若者がアルバイトに来てくれないなか、留学生のアルバイトは貴重な人材です。ただ安易に留学生に残業などを頼むと、この"28時間ルール"に抵触してしまい、在留申請が不許可となり、留学生の人生を狂わせることになってしまいます。

留学生に"28時間ルール"があることを知らない雇用主も多く、時給から考えて、あまりにも高い支払報告があると、マイナンバー制度ですぐに分かってしまいます。会社側もアルバイトの適切な管理をしていない企業と目をつけられます。しっかりコンプライアンス教育をしておかなければなりません。

また中小企業の売上が1企業に集中していることも法人番号で簡単に分かります。1次、2次、3次と下請け構造が一目瞭然になるのはよいのですが、下請け取引に関わる社員にコンプライアンス教育をしっかりしておかないと公正取引委員会の調査が突然、入るかもしれません。

下請に発注する場合、納品があってから60日以内に支払わなければなりません。これは下請代金支払遅延等防止法で決まっています。

→ 違反は公表!システム開発が下請法の対象
※下請代金支払遅延等防止法(下請法)と発注企業の4つの義務について解説しています

よく教育されていない社員だと支払が納品ではなく検収から60日以内だと思っていて、支払を伸ばそうとノラリクラリ検収をのばしているケースがありますが、これは完全なクロ。法人番号から下請構造がすぐ把握できますので、公正取引委員会としても調べやすくなります。