『GERMINAL - ジェルミナル』はヨーロッパで高い評価を受けていますが、どのような点が評価されたと考えていますか?
アロリー>認知されたことで生計が助けられたし、創作することだけに集中できる環境ができた。そこは非常に良かったところです。これまでは公的な援助が無かったので、この作品の成功は助成金を獲得するのにも役立ちました。ただ自分としては、なぜこれほどまで受け入れられたのかはよくわからない。おそらく観客が舞台上でこういった作品を観たいと欲していたもの、観客が求めていた瞬間に僕らの作品が到達したということではないでしょうか。
でも全ては幸運だったと思う。ツアーに至るまでのプロセスを考えると、なんだか不思議な気分になります。ツアーをすればするぼど、芝居をやればやるほど、終わりのない円のようなものに思えてくる。もしツアーをしなければ、自分の作品をみせる多くの機会を逃すことになる。たとえ素晴らしい脚本があったとしても、3~4回公演して終わり、では悲劇ですよね。僕たちは音楽業界にはびこるクレイジーな風潮を真似ることなく、新しい戦略を見い出したいと思っています。
(C) Alain Rico
“ダンス作品”というカテゴリーで上演されますが、ご自身の中では作品をどうとらえていますか?
アロリー>実際のところ本来はそのような種類の依頼ではなく、まずは多くの劇場から助成という形で製作費を得てつくり始めました。ただ僕らの作品がフェスティバルの中心になるか否かに関しては彼らは気にしないだろう、ということは最初からはっきりしていた。ダンス業界は幅広いジャンルに開放的ですからね。僕が考えるに『GERMINAL - ジェルミナル』は、“この作品が観客にどのように影響するか”について理解する試みなのではないかと思います。(C) beaborgers