コンセプトを舞台化するにあたり、苦労した点、こだわった点は? また、そこから得たものとは?
アロリー>耐えがたい、ひどく悲しい、ややこしい、楽しい、長い、早い、遅いーー。さまざまな難題が立ちはだかり、自分たちが考え出した大部分のものは全く実現しませんでした。日々変化していき、1週間何もできないときもあれば、1時間で20分の作品ができたりもする。僕たちはこのプロジェクトを経て多くを学びました。まずは、気兼ねないバーフェクトな仲間たち、そしてチーム(技術者、生産アシスタントなど……)を持てたことが一番ですね。
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作品づくりにおいて重視していることは?
アロリー>終わらせることに集中する、ということでしょうか。なぜかというと、とにかく実験ばかり重ねていて永遠に終らないから。だから、終わらせることが最も重視すべきことでもあります。初演時の反響、手応えはいかがでしたか?
アロリー>初演の当日、劇場に観に来た劇場プログラムディレクターや批評家たちから、“この作品はこれから公演ツアーの申し込みが殺到するようになるだろう”と言われました。もちろん作品のクオリティについて高い評価をもらえたことは嬉しかったけど、自分たちとしてはとにかく終わったことがハッピーだった。それに正直な気持ちを言うと、当初よりも回を重ねるごとにだんだん作品を好きになっていった感じです。お客さんの笑い声は僕たちを充実させてくれるし、より良い作品をつくることを可能にしてくれたという意味でも、ツアーが沢山実現できたのはとてもラッキーでした。(C) Alain Rico