本作をつくろうと考えた経緯、着想のきっかけをお聞かせください。
アロリー>『GERMINAL - ジェルミナル』は、さまざまな劇場におけるレジデンスの過程で2年間のリサーチをかけてつくった作品です。その半分くらいの時間を費やし創作した2つの作品がありましたが、そちらは放棄(笑)。3作品目をつくり始めたとき、“OK、今回は全く何もないところから始めよう。今まで見たこともやったこともない、本当にゼロからね”と、改めてスタートしました。そこからが本当の始まりでした。
キャストはどのような基準で選んだのでしょう?
アロリー>最初はアントワンヌと僕のふたりだけでいいと思っていましたが、4人の方がより良い数だと気付いて。だけど、経験もなければ、プロの役者とどうやって仕事をしたらいいのかもわからない。アントワンヌと僕は時間もあり、自由でもあり、そしてある意味自分たちの限界も知っている。だから役者としてどうにかやりくりできていた部分がありました。アルノーとは一緒に仕事をした経験もあり、またいい友達でもあったので、何がピッタリくるかこないかがすぐにわかったし、彼のパートを書くのは非常に簡単でした。オンディーヌ(初演時キャスト)とは面識はなかったけれど、アントワンヌが以前彼女の出演した公演を観たことがあって、“すごくいいよ!”と絶賛していたので、早速連絡を取ってみました。企画の説明など15分くらい話をしただけで、すぐ彼女も参加することになった。それからずっと、一緒にツアーをしています。彼らと働くことは、僕らにとって宝です。
(C) Alain Rico