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保育園の担任になったつもりで話しましょう!

平成27年の4つの課題の特徴や難易度、練習のポイントについて解説します。この試験では「3歳児クラス20名のこどもたちが集中して聴けるようなお話を行う」ことが求められています。

言語表現で求められるポイント

よく出題文を誤解する受験者さんがいるのですが、この試験は「童話を朗読する」という試験ではありません。保育園のクラス担任になったつもりで、受け持ちのこどもたち全体に話しかける姿を採点委員に見せる試験なのです。明るく朗らかに、保育園児に親しまれる表現が求められています。
また、試験ではこどもがいませんので、実際には採点委員の前で「こどもがいると想定した演技」をすることになります。毎年この部分で苦労する受験者さんがたいへん多いです。

こどもに見立てた椅子等を対象に話す

さらに昨年から出題文で「こどもに見立てた椅子等を用意します」と明記されましたので、その椅子等が置いてあるあたりに20名のこどもたちが座っていると想定して話すことになりました。昨年、わたしの主催する講座を受講した方に様子をうかがったところ、あまり遠くない距離で自分を中心とした60度程度の扇形の範囲で、両端に2ケ所、こどものイラストが描かれた小さな台が置かれていたということです。これは、試験会場によって少しずつ異なると思いますが、イメージの参考にしてみてください。

参考絵本

つぎに、今年の課題となっている4つのお話の絵本を紹介します。試験は絵本を使わない素話ですが、よく絵本を読み込んで、頭の中に絵を思い浮かべて話すと、表現力がアップしますので、ぜひ読んでみてください。

ただし絵本の文章のままでは出題の条件に合わない箇所もあり、アレンジが必要になります。保育士試験の出題内容・条件に合わせた台本の作成例が載っているテキストもあります。また、動画教材では実演を収録しています。3歳児20名に受け入れられる言葉の選び方や話し方のポイントなど、参考にしてみてください。

うさぎとかめ

うさぎのスピードと かめのゆっくりした動作を、口調や動作を工夫して表現することがポイントです。3歳児には、ナレーションを少なめにして、セリフのやりとりでお話を展開していくことが喜ばれますので、わかりやすい表現で表情豊かに話しましょう。平成27年の4つの課題の中では易しいほうに入ると思います。

おむすびころりん

小さくてかわいらしいねずみたちの歌や話す様子と、おじいさんのゆったりした動きや優しい表情を、3歳児にも わかる言葉や表情で伝えましょう。平成27年の4つの課題の中では易しいほうに入ると思います。

 3びきのこぶた

3びきのこぶたそれぞれの個性、さらにオオカミ、ナレーション、と5人の演じ分けが必要になりますので、平成27年の4つの課題の中では最も難易度が高いと思われます。この物語は、年長児向けのナレーションで難しい表現のバージョンもあります。あくまでも3歳児20名向けという条件からそれないよう気を付けて台本をアレンジしましょう。

 『3びきのこぶた』は、日本の幼児教育現場や 子どもに絵本を与える親たちの間で、原作の残酷な結末に賛否両論があります。つぎに紹介するものが、結末を改作していない原作に忠実なバージョンです。ただし結末を変えないにしても、3歳児20名向けで3分以内という条件のもとでは、大幅なアレンジが必要となるでしょう。

にんじん、ごぼう、だいこん

登場人物3人の個性を演じ分ける工夫がされているか、ということが評価のポイントとなるでしょう。このお話にも、様々なバージョンがありますが、民話調の語り口のものだと表現の難度が高くなると思います。この試験の目的は「民話の朗読」ではなく、保育園のクラス担任としてこどもたちにお話する実技ですから、日常の言葉にアレンジしてもまったく問題ありません。テキストに台本の作成例を収録しましたので、参考にしてみてください。

 

 


試験では絵本の持ち込みはできませんが、練習の段階では絵本をじっくりと読み込んで物語の世界に触れ、頭の中に登場キャラクターのイメージを明確に描いておくと豊かな表現ができると思います。ぜひ、選択した課題の絵本を購入して、じっくり何度も読んでみましょう。

参考

言語表現に関するこれまでの記事
保育士試験 実技(7) 言語―台本作成のポイント 
保育士試験 実技(10) 言語―試験本番の流れ

実技試験全体のねらいや合格率についての記事
保育士試験 実技(1) 試験のねらいと合格率 
平成27年保育士試験 実技試験のポイント―実技(14)

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