即時償却するなら、設備投資は平成28年3月末までに

最近、設備投資に関する相談が増えてきているように思います。その要因の1つとして、設備投資を増やしたい政府が政策的に強力なバックアップを行っている、ということが挙げられます。

政府が行っている設備投資優遇策はいくつかありますが、補助金の中で最近注目されているのが、「ものづくり補助金」です。この補助金は、補助率2/3で最大1,000万円が助成されるため、大変人気があります(平成27年度の公募は、8/5で終了)。

設備投資優遇策は、税制面でも行われており、その中でも、今一番相談が多いのが、「生産性向上設備投資促進税制」です。これは、要件を満たせば、機械装置はもちろん、建物や建物付属設備であっても、即時償却ができます(税額控除も選択可)。

即時償却の金額に上限はありませんので、ケースによっては大型の節税対策が可能です。例えば、これを使って一時的に株価を下げる、生命保険の解約返戻金(雑収入)に充当するなど、様々な対策に利用することもできます。

この生産性向上設備投資促進税制の即時償却ですが、いつまでも無期限に適用可能なわけではありません。これは、平成28年3月31日までに事業供用した場合の特例なのです。それを過ぎても、平成29年3月31日までもう1年間、生産性向上設備投資促進税制自体は継続しますが、平成28年4月1日以降は、50%償却となります。

そのため、即時償却を利用したいなら、設備投資は平成28年3月31日まで、今が設備投資のチャンスなのです。

投資計画の事前確認は、対象資産の取得時までに必要

では、もう少し具体的に、「生産性向上設備投資促進税制」について見てみましょう。

この税制の対象となる資産は、大きく2種類に分かれます。
1つは、「先端設備」と言われる最新モデル型の設備、もう1つは、投資利益率が年平均15%以上(中小企業者は5%以上)となる「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」です。

「先端設備」の場合は、最新モデル型の設備であることについて、工業会の証明書を発行してもらうことで、適用が可能となります。

対象となるのは、機械装置、一定の工具、器具備品、建物、建物附属設備、ソフトウェアです。機械装置は全てが対象となりますが、その他の資産については、その種類ごとに対象となる資産が細かく限定されています。手続きは、工業会の証明書を申請するだけなので非常に簡単ですが、対象資産がある程度限定されている、というデメリットがあります。

一方、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」については、機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアの全てが対象になります。対象資産が広い分、手続きはなかなか大変です。

投資利益率が年平均15%以上(中小企業者は5%以上)となる投資計画を経済産業局に提出し、事前に確認を受けておく必要があります。投資利益率は、「営業利益+減価償却費」の増加額÷設備投資額で計算されます。

投資計画の事前確認は、対象資産を取得するまでに受けておく必要があります。経済産業局に提出してから手続きが完了するまでに、遅ければ1ヶ月程度かかる場合もありますので、余裕を見て提出するようにしましょう。

なお、対象資産については、「先端設備」、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」とも、別途細かい取得価額要件がありますので、注意して下さい。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。