トマトと並んで家庭菜園に一押しのナス。焼きナスなどの和食はもちろん、中華やイタリアンなど、様々なジャンルの夏の料理に大活躍してくれます。
中身のほとんどが水分といっても良いナス。土の成分が水に浸透し、それが吸い上げられ、実の味にダイレクトにつながっているようです。
自分で育てたナスと、市販されているナスを食べ比べたとき、「野菜の味って、土や肥料の違いによって、これほどまでに違いが出るのか!」と驚かされ、ガイドが家庭菜園にハマるきっかけにもなりました。
ナスの栽培スケジュール
種から育てることもできますが、苗の生育に日数がかかるため、苗からはじめるのが一般的です。
ナス栽培で準備するもの:肥料と支柱
地植えの場合は、土壌改良材として、たい肥や牛ふん。肥料として、鶏ふんやボカシ肥料、そして、支柱となる竹の棒などを準備しておきます。プランター栽培の場合は、通常のプランターよりも大きくて深い、菜園用プランターを準備します。土は、通常の培養土で構いませんが、それに、鶏ふんかボカシ肥料を足して使います。プランターの場合も、支柱が必要です。
ナスの植え付け
ナスは、肥料と水が大好きな植物です。植えつけ時に、しっかりと元肥を入れておくことが、最初のステップになります。畑の場合、まず、たい肥や牛ふんをたっぷりとすき込んで土壌改良をし、鶏ふんや、ボカシ肥料などを株から20cmほど離したところにすき込んでおきます。そして、苗は、60cm以上の間隔をあけて植えつけます。
プランターの場合、土壌改良は必要ありませんが、肥料をすき込んでおく作業は畑と同様です。植え付けは、大きめの菜園用プランターなどを利用して、80cmくらいの幅のものに、2株が目安です。
苗を植え付けたときに、支柱も同時に立てます。ナスは、通常、高さ・葉張りとも50cm以上になります。そのようになった状態を想定して、2~3本の棒を苗の上で交差するように立てておくのが一般的です。
ナス栽培は手入れが大事
ナスの手入れで最も重要なことは、水を切らさないようにすること。水が足りなくなると、皮が硬くなってしまったり、ひび割れが生じてしまったりしてしまいます。
それから、葉が茂ってきたら、黄色くなったものや弱っているものをこまめに取り除き、風通し良く保つことも大事です。
収穫は、実が小ぶりなうちに行うのがコツ。夏のピーク時は、1日で倍くらいに生長しますので、「まだまだ」と思っている間に、巨大ナスになってしまいます。
夏の思いきった剪定が、充実した「秋ナス」を生む!
「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉がありますね。この意味は、実は三通りあるようですが、いちばん有名なのは、「おいしい秋茄子を、嫁に食べさせるのはもったいない」というもの。それくらい、昔から魅力的な味だった秋茄子づくりにも、せっかくだから挑戦してみたいものです。
「秋ナス」といっても、別の品種を植えたりするものではなくて、この5月頃に植えつけた同じ株で、秋に収穫できる実のことを言います。「秋ナス」を上手く作る秘訣は、夏に適度に休ませること。ナスを育ててみるとわかりますが、あのような実を、毎日のように収穫することができます。ということは、数週間経つと、植物自体も相当疲れてくるはずで、真夏の間も、そのペースで収穫し続けていると、植物の体力が秋までもたないのです。そこで、思いきった剪定が必要となります。
7月下旬ころには、まだ実がつきそうな枝があったとしても、思い切って、半分くらいの高さまで剪定して、枝を整理します。そして、株の周りを軽く(10cm程度)掘って、追肥を与えます。そすると、徐々に樹勢が回復して、10月頃まで秋ナスを楽しむことができます。
ナス栽培ではパセリの寄せ植えもおすすめ
ナスの隣に植える作物を選ぶとしたら、パセリがおすすめです。パセリはナスの害虫を忌避し、ナスはパセリの害虫(アゲハチョウなど)を忌避してくれる、コンパニオンプランツと呼ばれる関係にあります。
また、パセリは、日向よりも日陰で育てた方が、食味が良く、大きく茂るナスの根元などは、パセリにとって適度な環境といえます。さらに、ナスは、土が乾燥するのを嫌いますが、パセリが根元に茂ってくれていることで、土の乾燥を防ぐことができます。
ナスを植えてから2週間以上経過し、根がしっかり張ってから、パセリを植えるようにします。プランターでナスを育てる場合、直径30cmくらいの円形のプランターにナスを1株植え、その周りにパセリを3株ほど植える、「寄せ植え」方式にしても良いでしょう。
ナス科の作物と相性の良いコンパニオンプランツには、ネギ・ニラ・ラッカセイなどもあります。
ナス栽培のトラブルQ&A
Q:実が何かに食べられてしまったようですが、どうしたら良いでしょうか?
テントウムシダマシの食痕
これは、テントウムシダマシの食痕だと思います。テントウムシダマシは、28個の黒い斑点を持つテントウムシで、主に葉を食べますが、大発生すると、果実までかじってしまいます。幼虫の時代は葉の裏に群生しますので、「様子が変だな」と思ったら、葉の裏を確認して、駆除するようにします。
家庭菜園におすすめの農薬についてはこちらをご覧ください。
これと似たような症状で、ナメクジの食害もあります。
ナメクジは、夜中に活動するので、なかなか駆除しづらいということと、ナメクジ専用の登録農薬は、作物に直接散布できないものや、使用できる作物が限定されていることが多いので、家庭菜園では、使いづらいということが難点で、ナメクジの防除には、頭を悩ませている方も多いかと思います。
ニーム(インドセンダン)の顆粒を株のまわりに散布しておくと、ナメクジの忌避効果があります。ナスに限らず、すべての植物に使うことができますので、おススメです。
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