労務管理

社長の給料は誰がどうやって決める?(2ページ目)

社長や役員は、いくら給料を貰っているのでしょうか? またその額は誰が決めているのでしょうか? 非常に興味がありますね。最近では社長の高額報酬が話題になることも多いですが、実は、社長の給料(報酬という)は、社長が決めているのです。もちろん、ある程度の手続き上の制約はあります。公開企業ともなれば、株主に対して報酬額の説明責任を求められる場面も増えていきそうです。

本田 和盛

執筆者:本田 和盛

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役員の報酬額は株主総会の決議事項です

役員の報酬額は株主総会の決議事項です

「社長の報酬」は「社長」が決める

社長の報酬は誰が決めるのでしょうか? 従業員であれば、会社が給料を決めます。従業員は会社のために働いているからです。しかし社長や役員は、会社の出資者である株主のために働いています。そのため、社長や役員の報酬は株主が決めるのが筋です。

しかし実際はどうでしょうか? 実態を見ていきましょう。

取締役会がある会社の役員報酬は、その総枠の上限金額を株主総会の決議で決め(会社法361条)、個々の役員の報酬額は、取締役会で決めることになっています。しかし個別の役員の報酬額の決定は、代表取締役である社長に一任され、実質的に社長が決定しているケースが多いです。

とりわけ、株式を公開していない中小企業の場合、実質的にオーナー社長が株主総会を支配し、自分の報酬を自分で決めることになります。社長が欲しいと思えば、会社の利益の全額を報酬として受け取ることも可能です。さらに、会社に利益が出ていなくとも、役員貸付金として会社からお金を引き出し、生活費に充当することも可能です。

一方、会社に利益が残らない場合や赤字になった場合は、低収益企業・欠損企業と判断され、銀行融資が難しくなります。通常の企業であれば、銀行融資を受けずに事業を発展させることは難しいので、前向きに経営を考える社長であれば、自分の報酬を減らしてでも会社に利益が残るようにします。

また社長は、会社の負債(借金)に対する保証人にもなっているので、そのリスク負担を考えると、ある程度高額な報酬を貰わないと割に合わないともいえます。
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