バレエ/大人のためのバレエ

関節を開くとターンアウトが楽になる?

バレエの基本である、ターンアウト。このターンアウトが上手に出来ずに困っている人が沢山います。教師から、「お尻を締めるように」 と指導されている生徒さんが多くいますが、お尻を締めると筋肉はターン・インに作用しますので、ターンアウトを邪魔します。その事実を知っている方は少ないので、教師に言われた通りにお尻を締めていることでしょう。お尻を締めずに楽にターンアウトができる一つのヒントをお伝えします。

執筆者:石島 みどり

股間節を開くのがターンアウトです。

股間節を開くのがターンアウトです。

全身の関節は少なからず相互に影響しあっています。その性質を知らないと、ターンアウトのために股間節を開こうと一生懸命努力しても、思ったほど結果が得られないことがあります。

そんな時、さらに努力をするのではなく、ちょっと別な角度からアプローチしてみると、あっさりターンアウトが改善されてしまったりすることがあります。


ターンアウトは股関節から

ターンアウトは股関節の中から脚を開きます。股関節の可動域を広げればターンアウトが楽に出来る様になります。股関節の可動域を広げるためには、直接的に股関節に、整体などで刺激を与えるのが一番早いですが、レッスン前にそうした刺激を与えることは難しいので、自分でできる簡単な方法で可動域を広げてみましょう。


あご関節を利用する

全ての関節は、それぞれの関節と深くつながっています。どういうことかと言いますと、一つの関節が緊張すれば、それに付随して他の関節たちも緊張します。逆に一つの関節が緩むと、他の関節たちも緩みます。

ターンアウトでは、股関節を緩めることで可動域を広げます。股関節を緩めるために、あご関節を緩めるということをお勧めします。奥歯の上下で1cm程度の隙間を作ってみてください。敏感な方ならすぐに股関節が緩みます。それによりターンアウトが楽になるでしょう。


肩関節を利用する

猫背や前肩の方は、ターンアウトが上手に出来ません。肩関節が閉じているからです。そういう方は、肩を後に引いて開くようにしてください。それにより、肩関節に余裕が生まれるので、ターンアウトがし易くなります。

肩関節の動かし方がいまひとつ分からないという方は、両手を下に下げ、手の平を思い切り外に向けるようにしてください。それにより肩が開きます。その状態でターンアウトのし易さを感じてください。


関節の自由度を上げる

上記のようにあご関節、肩関節を意識するだけで、股関節の可動域が広がります。そのほかにも関節は、膝・足首・趾 (足指) の付け根・手首など、意識しようと思えば出来るところが沢山あります。

これらの関節の自由度を上げるために、なるべく関節周辺の筋肉を緊張させないようにしてください。緊張させるところは、腹直筋と背筋です。それ以外のところは緊張させずに、関節の自由度を保つことをお勧めします。
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