マンション価格指数が全国で上昇
この2年で戸建住宅や住宅地と数値が乖離

不動産価格指数(住宅)全国undefined出典undefined国土交通省

不動産価格指数(住宅)全国 出典 国土交通省

国土交通省が7月に発表した不動産価格指数(平成27年4月分)によれば一方、住宅総合指数(全国)は、105.2(2010年を100とする)で前年同期比でプラス3.8%。全国的に不動産市況が回復しています。その中でも、マンション指数(全国)は、122.0で、対前年同期比は、+9.7%の上昇。2013年3月より26カ月連続での上昇で伸びもこの1年大きくなっています。一方、戸建住宅指数は、99.4で前年比-0.5ポイント、住宅地指数は、96.4で前年比+4.0ポイント。マンションと比べると動きが緩やかです。マンション価格がなぜ戸建住宅より伸びが大きいのか要因を考えてみたいと思います。

◆不動産価格指数とは、全国の年間約30万件の住宅・マンション等の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に毎月の不動産価格を指数化したものです。アンケートによる成約情報をもとに個別性を考慮して算出しています。
不動産価格指数(住宅)ブロック別(平成27年4月)undefined出典undefined国土交通省

不動産価格指数(住宅)ブロック別(平成27年4月) 出典 国土交通省

マンション価格の上昇と言えば、まず大都市のマーケットに目が行きますが全国のマンション価格指数の動きを見ると2010年を100とした数値が最も上昇しているのは、東北地方の172.6(サンプル数が少ないため参考値)。北海道や九州・沖縄地方も数値が大きくなっています。一方戸建住宅指数を見ると、平成27年4月で100を割っている地域も多く、価格の大きな伸びは見られない状況です。
不動産価格指数(住宅)東北地方undefined出典undefined国土交通省

不動産価格指数(住宅)東北地方 出典 国土交通省


ここ数年の建築費の上昇は、価格水準の高い大都市圏よりもむしろ地方都市に影響が出ています。北海道、東北、九州・沖縄といった地域は、2014年のマンション供給が対前年で大きく減ったエリア。例えば、復興需要で建築費が上昇している仙台市などは、供給戸数が減少する中で新築マンション価格は大きく上昇しています。そうした背景もあり、マンション価格上昇につながっているようです。また、建築費の上昇は最終価格を抑えるため土地価格動向にはマイナスにも働きます。住宅地指数の上昇が限定的なのはそうした要因も考えられます。

長寿社会の到来もマンション価格上昇の要因と推察
コンパクトシティの推進 中心市街地への回帰

東京都心のマンションは、シニア層にも人気

東京都心のマンションは、シニア層にも人気(写真はイメージ)

厚生労働省が7月に発表した「2014年簡易生命表」によれば、男性の平均寿命は80.50歳、女性は86.83歳と過去最高を更新。女性は世界1位、男性は世界3位となっています。また、昭和22年~24年の第1次ベビーブームに生まれた団塊世代が65歳以上の高齢者に達したこともあり平成26年9月15日現在の65歳以上の高齢者は、3296万人。総人口割合として、25.9%とともに過去最高を更新しています(総務省 統計局データ)。都市部中心市街地のマンション購入層に60代以上のシニア層が目立つように、長寿社会を迎える中でフラットで上り下りが少なく、セキュリティ面でも安心感があるマンションの居住ニーズは高齢者には高い。駅アクセスなども魅力でしょう。国や地方も今後の社会を見据えて生活施設が身近に揃うコンパクトシティ化を推進する動きもあり全国的に中心市街地でのマンションニーズが顕在化しているものマンション価格上昇の要因と推察できます。
不動産価格指数(住宅)東京

不動産価格指数(住宅)東京 出典 国土交通省

建築資材価格の上昇や職人不足による建築費上昇だけでなく、長寿社会を迎える中での社会環境がマンション価格上昇の一因とすれば、中心市街地のマンション適地が今後限られてくることを考えると、高水準なマンション価格指数は当面続きそうです。2015年上半期の堅調なマンションの売れ行きは、こうした時代背景にも起因しているのではないでしょうか。

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