この外羽根式のロングウィングチップのように、ブローギングがかかと部まで伸び切る意匠は、今日ではアメリカの紳士靴に多く見られる傾向にあります。これを一応、「バルモラル」と言うのですが…実は「バルモラル」のディテールの直接的な起源は、20世紀初頭まで主流だったこのような内羽根式のレースアップブーツです。短靴に主役の座を明け渡して以降、結果的にその名は、このブーツに含まれる2つの要素の双方を指すことになったのです。かかと部に縫い目の全くない「シームレスヒール」です。この靴はカントリー的な要素が強いのですが、スッキリ見えることもあって、どちらかと言えば格式の高い場で用いる靴に向いた意匠です。上端部を鎌の刃状に僅かにクルッとずらす「ドッグテール」とか「ドッグイヤー」などと呼ばれるディテールです。機能性を形状に込めたこちらは、矢張りスポーティな印象の靴と相性が良いようです。この写真の記事を読む※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。