広東出身のシェフが上海に開いたカジュアルな食堂
思わずビールが飲みたくなる料理が揃っています。アルコール類は午後4時からオーダーできます。
上海市の中心部からやや西に位置する虹梅路の周辺は、外国人や地方から来た人が多く住むエリアです。特に日本人や韓国人が多く、和食店や居酒屋が何軒も並んでいます。この界隈に2015年6月、広東・香港のローカルフードを出す小さな食堂「香港龍稲」がオープンしました。
気取りのない外観。普通のローカル店のようですが、早くも地元の人たちで賑わっています。
李さんは30代にして上海の高級広東料理店のシェフや顧問、会員制料理教室の講師としても活躍。鮑を使った料理を得意とし、地元のメディアにもよく取り上げられています。
そんな李さんが独立し、始めたのは意外にも茶餐廳と呼ばれるカフェスタイルのカジュアルな食堂。開店の理由についてこう語ります。
「ここ最近、上海はレストランの値段がどこも高くて気軽に食事をするのが大変です。僕は安くておいしいごはんだって作れます。今後ハイエンドなレストランも手がけるつもりですが、その前にもっと多くの人に広東・香港の正統な庶民の味を楽しんでもらいたいと思ったのです」。ありがたい!
李さんによれば、虹梅路周辺は広東からの在住者も多いそうです。店は1階が肉類をローストするスペース、2階が食事をするスペースになっています。
正統派のローストダックや土鍋ごはんをリーズナブルに楽しめる
中華ベーコンの土鍋炊き込みごはん35元、香港式ローストダック28元。本場の味わいです。
料理は自家製ロースト肉やごはんものが中心です。メニューの種類はそれほど多くありませんが、甘酸っぱい梅のソースが添えられた港式焼鴨(香港式ローストダック)やチャーシュー、前菜の牛肉とパクチーあえなど、どれも秀逸。値段はほとんどが20~30元台とリーズナブルです。
イチオシは広州名物の土鍋炊き込みごはん「△(保の下に火)仔飯(バオザイファン)」。上海でバオザイファンを出す店は結構ありますが、この店のは油っぽくなく、ご飯もタレも品のいい味。中華ベーコンを炊き込んだ「□(月へんに昔)味(ラーウェイ)」バオザイファンがおすすめです。おこげもおいしい。
カジュアルな雰囲気の食事スペース。Wi-Fiも完備しています。
観光地ではないので旅行者はあまり行く機会がないエリアかもしれませんが、アクセスがよく、気が置けない友だちとの食事場所や一人ごはんスポットとして覚えておくと便利。現在のところ虹梅路と紅松路に店舗があり、デリバリーにも対応しています。
お腹が空いたときに気軽に立ち寄れる、安くておいしい貴重な一軒です。
1階で焼き上げた自家製ローストチキンやローストダックが味わえます。
■香港龍稲 Xianggang Long Dao
住所:長寧区虹梅路3896号
TEL:021-6249-9877
営業時間:11:00~21:00
アクセス:地下鉄10号線「龍渓路」駅より 徒歩4分