「野菜を食べよう!」は本当に大事!
健康的な食生活というと、「野菜をしっかり食べよう!」と考える人は少なくないようです。最近は栄養相談などでも、患者様から「野菜中心に食べています」といった言葉もよく聞きますし、野菜を食べることが身体によいことだと浸透してきたのかなと嬉しく思っています。
一方で、野菜にはいろいろな種類と料理方法があります。それぞれの野菜に適した方法で美味しく、より健康的にいただくコツを解説したいと思います。
生野菜と温野菜のメリット・デメリットを徹底比較
生野菜と温野菜はよく比較されます。当然、どちらにも一長一短があり、その長所と短所はコインの裏表のようです。生野菜と温野菜のそれぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。 表をご覧いただければ分かるように、「生野菜の長所が温野菜の短所、温野菜の長所が生野菜の短所」とも言えます。そのためどちらが優れているとか、どちらが劣っているということはまったくありません。「今日は暑いから冷たいサラダが食べたい」とか、「主菜はサバの煮付けだから、根菜の煮物が相性がいいだろう」など、一緒に食べる料理との相性や体調などを考慮して、生野菜と温野菜の「長所」を上手く利用するのがよいでしょう。
生食向きの野菜・温野菜向きの野菜
一口に「野菜」と言っても、その性格はさまざまです。生食向きの野菜、温野菜向きの野菜、生食にも温野菜にもどちらにも向いている器用な野菜もあります。
生食向きの野菜はトマト・きゅうり・レタス・セロリなどが挙げられます。
野菜はカットしたところからどんどんビタミンが分解していくと言われています。またカットされた部分は「切り傷」のようなものですから、野菜にとっては非常にストレスです。そのため、生野菜の長所を生かすには、新鮮な野菜を食べる直前に切って食卓に並べることがベストです。
とはいえ、スーパーやコンビニ等で売られているカット野菜がまったくダメなのかといえばそうではなく、「野菜を食べる習慣」をつけるためや、一人暮らしで料理をする時間も惜しいくらい疲れているけれど、野菜を食べたいといったときには、非常に役に立つと思います。
温野菜に向いている野菜はブロッコリー・アスパラガス・なす・ほうれん草・チンゲン菜・レンコン・とうもろこし・かぼちゃ・イモ類など。正確には野菜ではないですが、キノコも温野菜にすると美味しくいただけます。
温野菜もできれば新鮮な野菜を使ったほうが美味しくいただけます。加熱方法はゆでる・蒸す・焼く・煮る・揚げるなどの方法がありますが、ゆでるのはあまりオススメしません。ゆで水に栄養素が流れ出てしまいます。
どちらにも向いているのはキャベツ・大根・カブ・ピーマン・人参・玉ねぎなど。
玉ねぎを加熱しないで食べるの?と思った人もいるかもしれませんね。玉ねぎは基本的には、温野菜のほうが向いています。ところが、生食に合う品種があるのです。例えば赤玉は生食に、白玉は温野菜に向いていますが、白玉にも生食用の品種もあります。もし普通の白玉ねぎを生で食べたい場合、切った後「水さらし」をすると、辛味を抑えることができますよ。
野菜を美味しく健康的に食べるコツ……ドレッシングなどの味付けにもこだわりを!
料理の仕上げの「味付け」についても生野菜・温野菜ともにこだわってほしいことがあります。温野菜のうち「煮物」は煮る際にすでに味付けをしていますが、生野菜も温野菜も各自の好みでドレッシングや塩、マヨネーズ等を使って味付けをすることが多いと思います。実は、このように料理の上から調味料をかける方法は、手軽ではありますが塩分や油脂類を摂りすぎてしまう原因になります。サラダや温野菜の味付けは、刺身や寿司を食べる時の要領で小皿に調味料を取り分け、一口分の野菜にちょんちょんと調味料をつけてから、調味料のついている部分が舌の上に乗るようにして口の中へ入れて食べると調味料の過剰摂取を防ぐことができます。
ドレッシングを選べるなら、どろどろした形状のドレッシングよりもさらっとした形状のドレッシングを選ぶほうが◎。使うドレッシングは少なくても、美味しく感じられることが多いようです。
外食しがちな会社員の野菜の取り方
最後に都内の一部(多摩・島しょ地区)限定にはなってしまいますが、保健所が「野菜を1日350g食べよう!」というキャンペーンを行っています。外食の店舗と提携し、1食120g以上の野菜を使ったメニューがある店をリスト化(あなたの町の「野菜メニュー店」)しています。お近くの方は利用されてみるのもいいかもしれません。特別区ではそれぞれの区でアプローチをしているとのことですから、問い合わせてみるといいかもしれませんね。生野菜・温野菜の長所と短所を上手く利用して、健康的で充実した食生活を送りましょう。