運動と健康/運動のメリット・運動時間・強度・頻度

冷房で冷える身体に悩まされない生活習慣

ジトッとした暑さ厳しい季節は、屋外に出るだけでも汗をかきやすいため、冷房の効いた室内で過ごす時間が多くなる人もいることでしょう。涼しい場所を選んで過ごすことは、熱中症対策としても効果的です。一方であまりにも外気温との差が激しいと、身体の体温調節機能がうまく働かず、身体の冷えを感じることも。今回は身体を冷やしすぎないための運動や生活習慣についてご紹介したいと思います。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

 性別の違いで変わる暑さの感じ方

夏の暑さ

暑さは性別によっても感じ方が違う

職場などで冷房が効き過ぎて身体が冷えてしまった…という経験をした女性は多いのではないでしょうか。自分の体調や感覚にあわせた温度調節をしづらい状況で長時間過ごすことは、悩ましい問題ですよね。

一般的に女性は男性に比べて体脂肪が多く、筋肉量は少ないと言われています。体脂肪は熱を通しにくく、一度冷えてしまうと温まりにくい性質があるため、女性は冷房に対してより敏感に冷えを感じやすい傾向があるといえるでしょう。

一方、男性は女性に比べて筋肉量が多く基礎代謝が高いため、体内で熱を産生し、血液循環をよくすることで身体が温まりやすい特徴があります。いつもクーラーなどの冷房で身体の冷えを感じている人は、筋肉量を増やす、つまり運動を行うことも一つの冷え対策であるといえるでしょう。

特に下半身を鍛えよう

デスクワークなどで運動量が減り、同じ姿勢で長時間座っていると、下半身のむくみや冷えを感じることが多くなるでしょう。これは重力の影響を受けることで、どうしても下半身や足に水分がたまりやすくなり、血液循環や筋肉のポンプ作用がうまく働かないと、むくんだり冷えを感じたりということが起こりやすくなります。

特に身体が冷えると感じるときは、下半身を中心としたエクササイズを行ってみましょう。仕事の休憩時間などにスクワットを行うことでもいいですし、目立つのはちょっと……という場合は机の下でつま先や足首を動かすだけでもOKです

■参考ページ:「血行不良の足に……むくみ解消エクササイズ」

階段

ふくらはぎを動かしてむくみを解消

さらに日常の中にエクササイズを取り入れるのであれば、上り階段がオススメです。通勤や通学、ちょっとした移動の時にエスカレーターやエレベーターよりも階段を使うことで、下半身の筋肉を鍛えることができます。

ふくらはぎの筋肉を使えばむくみ解消にもつながり、運動量も確保できて冷え対策にも効果的。鍛えたい筋肉を意識するとさらにエクササイズ効果が高まると言われていますので、ヒップアップであればお尻の筋肉を、姿勢を美しく見せたいというのであれば、太ももの前側の筋肉を特に意識して階段を上るとよいでしょう。

身体を温める生活習慣を心がける

冷房に悩まされる日常生活の中でも身体を温めることを心がけましょう。運動で身体を温めることはもちろんですが、毎日のことである入浴もシャワーのみで済ますのではなく、湯船につかって身体全体を温めるようにするとよいでしょう。

ただし長い時間、熱いお湯につかっているとのぼせてしまうことがありますので、時間と温度には十分気をつけましょう。気温が高い日などは半身浴にして、じっくり身体を温めるようにしてもいいですね。

キムチ

キムチやカレーは食欲増進効果もあり

また食事を三食とることも大切です。食事は食べることによって体内で熱を発生させるのですが、欠食や少なすぎる食事量では十分な熱量が得られず、結果として身体が温まらない状態を作り出してしまいます。

過度にスパイスを効かせたものを食べすぎると、胃腸への負担が高くなってしまいますが、適度に香辛料のきいたものを食べることは、体内で熱量を生み出すことに役立ちます。カレーやキムチなどを上手に取り入れましょう。また食事の時に食事の時に温かい汁物を準備することもよいでしょう。

水分補給にも温かいものを

暑い時期は自分で感じる以上に汗をかき、水分を失いがちです。運動時の水分補給はミネラル分を含むやや冷たい飲み物でも問題ありませんが、普段過ごしているときは、温かい飲み物も積極的にとるようにしましょう。

直接的に温めるという効果もありますが、冷たいものを飲みすぎると胃腸に負担がかかり、食欲不振などにおちいってしまうことがありますので、こうしたことを避ける目的もあります。暑い時期の水分補給は必要不可欠なものですが、時には温かいものを飲むことを意識してみましょう。

暑い時期だからこそ、身体が冷えすぎないように過ごすことが、体調を整えることにつながります。ちょっとした運動や日常生活を見直すことで、冷え対策を行いましょう。

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