梅の里、再生へ

2009年、国内で初めての「プラムポックスウイルス」が、東京・青梅市の梅の木から見つかりました。感染した果実を食べても人や動物への影響はないそうですが、ウイルスに感染した木は弱り、実は未熟なまま落ちてしまいます。2014年春には、青梅市・梅郷のシンボル「梅の公園」の梅の木がすべて伐採されるなど、農業や観光への被害は甚大です。

そんな中、梅郷の梅菓子処「紅梅苑(こうばいえん)」の鈴木さんより、「梅の里再生へ向け動き始めています」とのお便りをいただきました。地域を支える若手と共にNPO法人を立ち上げ、植樹のための募金活動もスタート。おいしいソフトクリームを食べるだけでも再生の一助になるそうです。

梅菓子処「紅梅苑(こうばいえん)」

紅梅苑

「紅梅苑」青梅線・日向和田駅より徒歩5分

青梅吉野梅郷の梅菓子処「紅梅苑(こうばいえん)」。作家の吉川英治氏が愛した紅梅に因み、昭和58年に文子夫人が開きました。後に甥の鈴木博さんが継ぎ、現在は3代目、鈴木宗さんが店を守ります。
梅郷

日向和田駅から店へ向かう橋の上より。新宿から電車でわずか1時間強

最寄りの日向和田駅から店へと向かう、神代橋からの眺めは息をのむ美しさ。紅葉の名所としても知られますが、夏はアウトドアスポーツを楽しむ人で賑わうそうです。

久しぶりに訪ねると、梅郷の豊かな自然は変わらないながらも、梅の木が見当たりません。「紅梅苑」の自家梅園は姿を消し、同店のシンボルである、1つのヘタに2つの梅が実る「鴛鴦(えんおう)梅」も切り株を残すのみとなっていました。

再生への第一歩「青梅(あおうめ)ソフトクリーム」

あおうめソフトクリーム

「青梅(あおうめ)ソフトクリーム」350円(税込)。売上の一部は梅の里再生へ向け寄付される

まずは梅の里再生の第一歩として考案された「青梅(あおうめ)ソフトクリーム」。目を奪われる鮮やかなグリーンは、梅の自然の色。近隣の多摩地区産の新鮮な牛乳をたっぷり使ったソフトクリームは、まろやかでコクがありながらも、すっきりとした後味です。

自家製あおうめシロップは、ソフトクリームに練り込むのではなく仕上げに上からかけるため、梅の色と甘酸っぱい風味が生かされ、目にも舌にも爽やか。梅郷の澄んだ空気と相まって、清々しいおいしさです。

シロップに使われる「梅郷」という品種の梅は、運よく市外に植樹されたものが見つかり、取り寄せているもの。青梅ソフトクリームの売上の一部は梅の里再生のため寄付されます。

改めて梅の里、梅郷はどのような被害を受けているのでしょう。