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豪速球のBABYMETAL、魔球のHKT48? (2ページ目)

豪速球のBABYMETALと魔球のHKT48? 幕張メッセ・横浜アリーナ2デイズと共に大型ライブで成功を収めた両グループのライブに見る「アイドルのケレン味」とは。

大坪 ケムタ

執筆者:大坪 ケムタ

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今回のBABYMETALのライブでパフォーマンス以外の部分、たとえば映像などはそれほど新要素があるものではありませんでした。公演のベースが海外ツアー仕様という部分もあったのかもしれませんが、そこはやや少し意外ではありました。ただ、かつてBABYMETALのライブでの絵物語で見せていたパロディやネタ的な部分、さらにLegend I,D,Zで見せていた「次はどうなるの?」というストーリー性、それらのインパクトをもう現実のBABYMETALが”越えてしまった”という事実があります。それはウォールオブデスの直前、スクリーンに映し出されるBABYMETALとメタル・レジェンドたちとの写真を見てもわかります。もはやケレンに頼る必要はまったくない。

話はころっと変わりますが、そんなBABYMETALのライブの一週間後、そのBABYMETALが12月に2デイズ公演をやることを発表した横浜アリーナへ行ってきました。この週末2日で3公演を行うのは、今年のAKB48総選挙1位・指原莉乃率いるHKT48。先のBABYMETAL幕張やヤフオクドームでのAKB48総選挙を見てきたからか、妙に会場が狭く感じます。ちなみにこちらも最初2公演が完売で、急遽追加公演が決定・発売されるほどの人気。
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**HKT48最新シングル『12秒』。この日も矢吹奈子の元気いっぱいな「よっ!」コールが会場中に響きました。

入って驚かされるのが、メインステージとサブステージの2つを繋ぐ通路と客席の近さ。たとえステージから遠くても客席と近い距離で少しでも楽しませようとするこの気遣いはHKT48ならでは。それにもうおなじみとなった最上段ブロックの近くまで行くトロッコや、この日まで完全シークレットで練習してきたメンバー全員での吹奏楽演奏、バンド演奏、恐竜着ぐるみやプロジェクションマッピング、ドラフト生初披露、指原と田中菜津美の暴露系フリートークといった演出やコーナーはより多彩に。さらにグループの顔である指原についても、映画『Documentary of HKT48』の監督就任や座長公演の博多座公演といったサプライズ、そして総選挙1位の公約だった「水着でのライブ披露」を生着替え込みで行い会場を沸かせました。ちなみにこの模様はTV番組でも録画中継され、翌日のニュースを飾ったことは言うまでもありません。

曲以外にも隙間なくエンターテイメントをつぎ込んだスタイルは、まさに指原莉乃が思い描く理想のアイドルバラエティショーのよう。それは従来の王道のアイドルライブとは違ったケレン味のある魅力に満ちていて、あらためてHKT48は今の日本のアイドル流を突き詰めた上で最も完成されたライブを見せてくれるグループだなあ、と思わされました。

日本的なケレン味を排除してライブパフォーマンス一本で勝負する強さを鍛え上げたBABYMETAL。総選挙やスキャンダルといったアイテムまで利用して、おもちゃ箱のようななんでもあり感を突き詰めていくHKT48。そういう意味ではアリーナクラス以上のアイドルグループで、この両者は最も真逆なグループなのかもしれません。いわば160kmの直球豪速球と、変幻自在の魔球というタイプの違い。ただ、どちらもファンを楽しませようというメンバーやスタッフの努力が垣間見えるところは同じ。昨年は香港や台湾でのライブも成功させているHKT48。様々なタイプのアイドルが世界で受け入れられていけば、今後の日本のアイドルシーンの進化も楽しみです。
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