セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBTビジネス情報

LGBTのテーマで炎上を起こす人に足りない考え方

日本でも少しずつLGBTが注目を浴びつつあり、LGBTに関して言及をしたり事業を行う組織や人が増えてきているように思います。しかし、下手に”流行”に乗ったがために批判を大量に浴びたりする方もいます。彼らの何がまずかったのでしょうか?

執筆者:林 康紀

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1.セクシュアリティが何なのかをよく理解していない

セクシュアリティは3つの要素を複合して構成されます。身体的性別(Sex)、性自認(Sexual identity)、そして性的指向(Sexual orientation)です。しかし、セクシュアリティに関して誤った理解に基づいた間違った行動をし、LGBTの人に「違うのに….」という想いを持たせたり、「この企業はLGBTのことをわかっていない」と思われている企業は少なくないように思います。

例えば、こちらの記事。
同性愛者は化粧をする? ワールドビジネスサテライトの特集に批判

ワールドビジネスサテライトでLGBTが取り上げられた際に、LGBTを理解するためにストレートの男性たちが化粧をする様子が放映されました。これは、男性同性愛者 = 女装者という間違ったセクシュアリティへの理解が原因となって起きたことと言えます。同性愛かどうかについては性的指向に関することであって、女装するかどうかは性自認に関することです。こういったセクシュアリティに関する誤った理解に基づいた行動は、LGBTを失望させ、時に大きな批判を浴びることに繋がります。こういったことを回避する方法は、放映をする前に私含め、LGBTやセクシュアリティに関して専門的に事業を行っている専門家のアドバイスやチェックを受けるか、LGBTに関する研修を受けること等があげられます。

2. どれだけ恥ずかしいことかをしているのかよくわかっていない

こちらの例をごらんください。
「宝塚がHIV感染の中心に」自民議員発言、議事一時中断

LGBTの人権をどう守るかということは、最近全米で同性婚ができるようになった米国をはじめ先進国における重要な問題です。先進国では、LGBTに関してちょっとでも不適切な発言をしたために最高経営責任者が即刻辞任させられるくらい、LGBTに関する発言に対する社会の目は非常に厳しいです。会社の経営者でそのくらい厳しいですから、ましてや議員などであれば御法度です。にもかかわらず日本では議員がLGBTに対する差別的な発言が行われており、厳しい処分もありません。

こういった不適切な発言をしている方々は、自分が世界から見てどれだけ恥ずかしいことをしているかをよく理解した方が良いと思います。差別的発言というのは、マジョリティの立場にいる人間がマイノリティの立場にいる人間を、その立場を利用して虐めることで、一種の弱い者いじめであり、1人前の人間として非常に恥ずかしいことだということを理解すべきです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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