「GIGAマッシュ」巨大マッシュルームにびっくり!
フレンチのみならず洋食では欠かせない「添え物」、マッシュルーム。これをメインディッシュにしてしまうというカジュアルレストランが、2014年春にオープンした「マッシュルームトーキョー」だ。マッシュルームという一点素材で中央突破を図る、マーケティング的にもとてもユニークな手法を取っているところも興味深い。雰囲気は遊び心のあるビストロ。神宮前の路地裏はいつもにぎやかだ。
考えてみると、フォアグラ専門料理店も存在するし、肉料理や煮込料理、シャルキュトリー(食肉加工品)の専門料理店、マッシュルームに限らず季節のキノコを中心とした特徴あるレストランも未だ健在だ。しかし、膨大な種類のキノコの中から「マッシュルーム」に絞っているのは、このレストランくらいではないだろうか。
最大の特徴は、一般的なサイズ(マカロンと同じくらいか)のホワイトマッシュルームとブラウンマッシュルームの「サイズ」にある。写真を見てのとおり一番大きなサイズで「GIGAマッシュ」と呼ばれるものは直径が約20cmもある。最初見たらびっくりするだろう。
これがGIGAマッシュ!
そのマッシュルーム、生で食べると意外と味わい深い。最初のサラダにはオリーブオイルと塩だけという取り合わせ。これ以上でもなくこれ以下でもないシンプルな味わいが妙に記憶に残る。
タレッジョ、ゴルゴンゾーラ、グラナダバードといった3種類のチーズを載せたGIGAマッシュの主役はあくまでマッシュルーム。それぞれの味わいにキノコの風味が加わり、そこにやや甘味のあるスパークリングワインがぴったり。
マッシュルームの横幅を見れば大きさがわかります。
さあ、次はマッシュルームのアヒージョ。普通はエビやイカなどシーフード主体でマッシュルームはなんとなく添え物的な気がしないでもないが、ここでも主役は当然マッシュルーム。かといって居酒屋にありがちな安っぽいものではなく、味わいがしっかりとしており、ドライな白ワインのお供に最高な一皿に仕上がっている。
立ち上る香りも大事な美味しさの一つ。
メインディッシュは、山梨・信玄鶏のソテーにマッシュルームのソースを。ここで初めて肉料理を引き立てる役が回ってきた。さっぱりとしていて飽きることなく平らげたのは空腹だからという理由だけではない。どんな肉料理にもソースとしての存在感をきちんと表現できており、しっかりとした味わいの赤ワインにぴったりとはめ込まれる。
鶏の出汁にマッシュルームの香りが寄り添い信玄鶏に心地よく絡む逸品
そして、マッシュルームトーキョーのオリジナル、マッシュルームを練り込んだパスタ!そこに野菜とマッシュルームががっつりと盛られる。これが本日一番記憶に残る逸品か。
初めての味わいにちょっと美味しくてびっくり。
マッシュルームとワインの相性は思いのほか良く、マッシュルームのスライスとオリーブオイルと塩だけで「ヘルシーなつまみ」になることがわかった。
〆はバニラベースのアイスクリームにマッシュルームを練り込んだ味わいはサプライズ!と言っていいだろう。
〆はマッシュ風味のアイスクリームで!
見事なマッシュルームオンパレード。人気メニューを一通り楽しんだが、お値段も手ごろ。アラカルトで一皿が700円から1300円程度に抑えられ、飽きのこない価格になっているのは顧客目線になっているからだろう。
値段もリーズナブル!
ただ、そうはいってもマッシュルームの種類が増えるわけではない。大きさもこれが限界とすると、これからは料理の引き出しの多さやさらにワインとの相性などを考えつつ「新しい料理」を探していくしかない。でも良き素材があれば、料理は無限大。小さなマッシュやGIGAマッシュの現物を見ながら、マッシュルームという素材の可能性を感じた夜になった。
マッシュルームトーキョー
住所:東京都渋谷区神宮前6-2-4
(地図はHP内にあります)
TEL :03-6450-5877
営業時間:ランチ11:30~15:00(LO14:30)
ディナー17:30~23:00(LO22:30)
毎週月休
人気店かつ小さなお店なので予約は必須。テラス席がおススメです。