絵本/日本人絵本作家

中毒にご用心!ナンセンス絵本の雄・長新太を読む(4ページ目)

長新太さんの絵本は、1度読んだら癖になり、しばらく読まずにいると、中毒症状のように、読みたくて読みたくて我慢できなくなります。そんな不思議な魅力を持った絵本を読んでみましょう。ただし中毒にはくれぐれもご用心!

執筆者:大橋 悦子

長さんがチョー真面目におならを科学する絵本『おなら』

絵本『おなら』の表紙画像

後ろ見返しに並ぶおなら音の数々にも大爆笑! 最後の最後まで長さん絵本

表紙いっぱいに描かれる大きな像……の、お尻。かつて象のお尻を、これほど大胆に表紙に配した作品があったでしょうか? 驚きながら表紙を開けば、そこにはさらなる驚きが待っています。描かれているのは音です。しかもその「ぶおおーん」という爆音は、ジャングルの彼方から発せられた象のおなら音でした!

本文を開くまでもなく、小さな読者は大爆笑で、まさに「つかみはオッケー!」状態です。ところが、爆笑必至のユーモア絵本に見せかけたこのオープニングは、長新太から贈られた超真面目な科学絵本への招待状だったのです。

おならの働きだけでなく、空気とおならの関係や、食べ物によるおならのにおいの変化についてなど、おならにまつわるあれこれを、とっても臭そうなおなら音とともに科学的に説明してくれます。ちなみに、長さんによると、「ぶおーん すすー」はライオンの、「ぷおー」はカバのおなら音ということですが、本当でしょうかねえ?

手術のイメージ画像

そう言えば、手術の後におならがでると、みんな大喜びしますね

絵本によれば、スカンクやみいでらごみむしなどが発するにおいは、おならではないそうですよ。そうとわかっても、長さんの絵を見ていると、とてつもないおなら臭さが紙面から漂ってくるような気がします。

おなら博士になりたい人にチョーおすすめの科学絵本は、老若男女を問わずお楽しみいただけますので、ぜひご家族みなさんでご覧ください。それでは、ちょっとだけ長さんをまねて……ご紹介はこれでおしまい、さよ おなら!


【書籍データ】
書籍名:おなら
作:長新太
価格:972円
出版社:福音館書店
推奨年齢:3歳くらいから
購入はこちらから


>> 最後は、創造力と想像力を刺激する待望の復刊絵本をご紹介

  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます