『キャベツくん』に答えてほしい! 君はいったい何者なのだ?
長新太さんの絵本は、前出の『ゴムあたまポンたろう』のように、人間ではなく「実在しないもの」を主人公にした作品が多いですね。そのため、キャベツが主人公ならばちょっと安心して読める……などと考える方がいらしたら、まだまだ甘いと言わざるを得ません。長さんの絵本ですもの、主人公のキャベツくんが普通のキャベツであるはずがありません。草原でキャベツくんに出会ったブタヤマさんは、お腹がすいていたのでキャベツくんを食べようとします。そんなブタヤマさんに、キャベツくんが言いました。「ぼくをたべると キャベツになるよ」って。ブタヤマさんはビックリ仰天、おもわず「ブキャ!」と叫びます。その時、なんと鼻がキャベツになったブタヤマさんの姿が空に浮かんでいました。
美味しそうなキャベツでもすぐ食べるのは危険かも?
こういう絵本は大人も深く考えずに不思議な世界を楽しもう……と常々思っていたのですが、『ゴムあたまポンたろう』に引き続き、とある疑問がわいてきて頭を離れなくなりました。もしかしたらキャベツくんは人間の少年で、キャベツを食べてこんな姿になってしまったのではないかしら? あら、この絵本はライトホラーだったの? そんなことありませんよね? 真相は長新太のみぞ知る……やはり思いっきり不条理な絵本です。
【書籍データ】
書籍名:キャベツくん
作:長新太
価格:1404円
出版社:文研出版
推奨年齢:3歳くらいから
購入はこちらから
>> 次は、常識も時空も追いつかない、長さんワールド炸裂の絵本を紹介します