1度読んだらやめられない?長新太さんの絵本たち
長新太さんの絵本は、「頭の柔らかな人にしか、その面白さがわからない!」と言われることがあります。それは、長さんが「ためになる」絵本ではなく、「意味はよくわからないけれど、なんだかとっても面白い」という絵本を作ってきたからではないでしょうか。その面白さは1度読んだら癖になり、しばらく読まずにいると、まるで中毒症状のように、読みたくて読みたくて我慢できなくなるのです。そんな長新太さんの作品をまとめてご紹介します。どれも長さんならではの不思議な世界が広がる絵本です。風まかせならぬゴムまかせの風来坊『ゴムあたまポンたろう』
ポンたろうは、ごらんの通り頭がゴムでできている男の子です。山にポ~ンとぶつかって、ボールのように空を飛んでいきます。ところが、マズイ! 下には野球のバットのようなつのを持った大男が……。と言っても心配ご無用です。上手く大男のつのにあたると、バットで打ち返されたようにぐんぐん飛んで、飛距離を伸ばしていきます。おお、特大の場外ホームランだあ。大きく飛ばされたポンたろうは、バラの棘や、オバケや、ハリネズミや、とにかくいろいろなものに次々ぶつかっては、再びポ~ンと飛んでいきます。
そんな様子に「うわあ、面白い!」と小さな読者たちは歓声を上げますが、大人には大きな疑問が残ります。ポンたろうはなぜ割れないのでしょう? あんなものやこんなものにまでぶつかっているのに、割れないのはなぜなんだ?
ハリネズミだって怖くない!棘にはめっぽう強い(?)ポンたろうです
でもそうなると、気になるのはお話の結末です。実はこの作品は、子どもの物語の王道を行く「行きて帰りし物語」になっているのですが、そこは長新太ならではの味付けで……いや、これ以上はやめておきましょう。結末は、やはり読んでのお楽しみ。お子さんとご一緒に、ナンセンスに包まれた弾む空の旅をご堪能ください。
【書籍データ】
書籍名:ゴムあたまポンたろう
作:長新太
価格:1404円
出版社:童心社
推奨年齢:3歳くらいから
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