ライブコンポジットを使えば簡単に星の軌道が撮れる
前ページでは、一般的に星の軌道を写真に撮るときのセッティング方法を紹介しました。撮影に慣れている方ならいざ知らず、初めてトライするという方にはあれこれとセッティング方法など戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、そんな煩わしさを払拭してくれる撮影機能が最近のデジタルカメラには登場しました。
それは、ライブコンポジット機能。これは画像を連続して撮影して、その撮影した画像を自動的に一枚の写真に合成してくれるというもの。この機能を使うと、星の軌道を簡単に撮ることができてしまいます。
これはオリンパスの最新機種に搭載されている機能です。 オリンパスのPEN E-PL7やOM-D E-M10 などの機種にあります。
撮り方はライブコンポジット機能を選択して、カメラを三脚に固定したらあとはシャッターを押す、たったこれだけです。
このライブコンポジット機能の優れている点は、星の軌道を撮影しているフレームに外灯など明るい被写体を入れて長時間露光で撮影しても合成するときに明るさも調整してくれるというところです。明るさが極端に違う被写体がひとつのフレームに入っていると露出の設定が難しいのですが。その点もこの機能はカバーしてくれます。
シャッターを押してモニター画面を見ていると時間が経つごとに星の軌道が写っているのが確認できます。撮影を終了したい時点でシャッターを再度押すと撮影は完了。その後、カメラ本体の機能でデジタル処理されて一枚の画像に仕上がります。
かなりの高感度で画像を記録しているらしく、肉眼では見えていない星の軌道も画像には写ります。
星の観測や天体写真を日ごろからよく撮る方は、このライブコンポジットの機能がある機種を求めてもみるのもお勧めです。
デジタル機能は日々進歩を続けていて、これまでは撮るのが大変だった写真も簡単に撮れるようになってきています。利用できる機能は上手に活用していけばいいでしょう。ただ、新機能に頼るのではなく、撮影できる原理を理解してマニュアル設定もできるようにしておくと、どんなカメラを扱っても同じよう撮ることができます。
これは星の軌道の撮影だけにかかわらず、写真撮影の基本技術をマスターするのに共通のことです。デジタル新機能と上手に付き合いつつ、マニュアル基本操作も理解していく、このふたつの土台を持つことでより写真撮影の奥深さを楽しめるのではないでしょうか。
「生活彩るカメラ術」全10回、お付き合いいただきありがとうございました。
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