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近藤良平に聞く『かがみのかなたはたなかのなかに』(3ページ目)

2012年に初演、大好評を博した『音のいない世界で』のメンバーが再び集結! 長塚圭史作・演出のもと、近藤良平、首藤康之、松たか子が集い、夏の親子向け公演『かがみのかなたはたなかのなかに』を上演します。ここでは、出演に加え振付を手掛ける近藤良平さんにインタビュー! 創作の模様と作品への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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子供はどの程度意識してつくられているのでしょう。親も楽しめて子供も楽しめる、両者に訴える作品をつくる上で、難しさを感じることはないですか?

近藤>前回はチケットが売れすぎて、あまり子供のお客さまに観てもらえなかったんです。今回は新国立劇場が「こども優先席」をつくってくれているし、中身はおとぎ話だし、子供を意識してる部分は前回より確実にあると思う。

ただこれは長塚さんと共通するところでもあるんだけど、“みんな、こっちにおいでー!”みたいなものは嫌いで、“みんなおいでー、グサッ!”っていう方が好き(笑)。子供はそっちの方を面白がるってことも知ってるし、鏡のフリをしてても“それ鏡じゃないじゃん!”っていう感じが好きなことも知ってる。さらにモチーフが鏡だから、子供向きではない部分もあるかもしれない。ちょっとエグイことも台本には入っているし……まぁ、そこは長塚さんだからしょうがない(笑)。でも大人と一緒に舞台を観ることで、こんなにいろいろなことが起こるんだなって感じることもあるだろうし、そのことをああだこうだと話すこともあるはず。

コンドルズでも0歳児からみせる『遊育計画』というものを始めていて、そこではどんなに泣こうがOK。またそういうものに関わることで、“0歳から観るってどういうことなんだろう?”って考える理由になりますよね。だから、僕にとっても子供向けというのは課題ではあります。

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海外で子供時代を過ごされていますね。子供の頃の思い出、当時夢中になっていたことといえば?

近藤>小学校6年生まで海外にいました。途中、小学1年~3年は日本に戻ってきていたので、日本のテレビはそのときに見ていました。当時はザ・ドリフターズや宇宙戦艦ヤマトが流行っていたので、そこだけは知っています。

子供の頃に夢中だったのはサッカー。あと楽器も好きだったけど、芝居みたいなものにはあまり興味はなかったかな。ただウチの親父はオペラが好きで、海外にいるときも日本に帰ってからもよく聴いてました。影響がない訳じゃないけれど、僕はどちらかというとピアノ曲とかヴァイオリンコンツェルトなんかを聴いてましたね。

映像を撮るのが好きでした。親からもらったカメラを大事に磨いて、小学校4年生くらいの頃には自分でバシバシ撮ってましたね。高学年になると8ミリフィルムで映像を回しはじめて、家族で旅行に行くと僕が必ず記録係。昔のフィルムって3分弱しか撮れないので、ジジジッと撮っては、“よし8秒撮った、残りはこれくらいだな”って全部計算しないといけない。一泊二日の家族旅行だったら、どうやったら上手くフィルムを一本使い切れるかって考えたりしてた。後から上映会を開いては、家族みんなで見てました。

あの頃の映像ごっこはコンドルズも含めてかなり影響を受けてるかもしれない。撮影してる現場も楽しいけど、結果として発表の場がある。映画をつくるのと同じで、つないだものを最後にみんなで観て、良かったねっていう。その過程が面白いな、ということは思っていました。



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