listen forもOK、その意味は?
前置詞toは単に向きを表すのではなく、到達地点を表すということを説明してきました。そのことは、似たような意味を持つforと比べると、よくわかります。前ページでご紹介した文の意味は、以下のようになります。I listened for the song.
2)その歌を聞こうと努めた(実際は聞けなかったかもしれない)
listen toでは聞くという行為がすでにthe song(歌)に到達しているので、「実際に音楽を聞いた」ことになります。listen forは聞くという行為をthe songのほうに向けているだけで、実際に聞こえたかどうかはわかりません。学校では「"聞く"はlisten to~を使いなさい」と習ったかもしれませんが、実はlisten for でもOK、ただし意味にはこんな違いがあるというわけです。
toとforの使い分けについては「前向きな前置詞forを攻略しよう!」も参照してください。
toの慣用句をチェック!
toは慣用句の中でもよく使われますね。例えばこのようなものがあります。to my surprise(驚いたことに)
to my knowledge(私が知っているかぎりでは)
face to face(向き合って)
be moved to tears(感動して泣く)
according to ~(~によると)
いずれもtoの後にくるのが「到達するもの/こと」だと考えると、なぜtoが使われているのか、イメージがつかめてくるのではないでしょうか。
前置詞toとto不定詞の違い
また、toは「to不定詞」として動詞の前でもよく使われることから、前置詞なのかto不定詞なのか、ときどき混同してしまうこともあるかと思います。次のような例を見てください。a) I used to live in a big city.
b) I'm used to living in a big city.
a、bの正しい意味を表すのは、それぞれ次のどちらでしょうか。
ア)私はかつて大きな都市に住んでいた
イ)私は大きな都市に住むことに慣れている
答えは次のページで!