エサ=ペッカ・サロネンの既存曲に振付けようと考えたきっかけは? 
楽曲のどのようなところに触発されたのでしょう?

テロ>1994年に『Mimo ll』というエサ=ペッカの初期の楽曲に振付ける機会があり、それ以来彼の曲を聴いたり集めたりしていました。新作のための音楽を探していたところ、『無伴奏ホルンのための演奏会用練習曲』(2000年)、『フォーリン・ボディーズ』(2001年)、『ヴァイオリン協奏曲』(2009年)を使うことを思い立ちました。

キネティック(運動的)なクオリティに加え、凶暴なまでの激しさから極めて繊細な情感へと両極を行き来するところ、彼の音楽に内在する相反する両極の要素に強く惹かれました。

エサ=ペッカ自身、いつかバレエ作品として上演したいという期待を持ち『フォーリン・ボディーズ』を作曲したそうです。それを実現できることも、振付家にとっては何ともいえない喜びですね。

ですから、エサ=ペッカの音楽が最初の閃きを与えてくれたといえます。刺激的な音楽によって幾重にも思考をめぐらせた結果、男性ダンサーの多層的な感情や踊り手としての技巧を、この作品で扱ってみたいと考えるようになりました。

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『MORPHED』 photo Heikki Tuuli



テロ氏の創作のスタイルとは? 
具体的にどのように振付けていきましたか?

テロ>(『MORPHED』は)まず初演の2年ほど前に、照明デザイナーで舞台美術も手がけるミッキ・クントゥや衣裳のテーム・ムーリメキ、それから私のカンパニーのプロデューサー イーリス・アウティオといった身近なコラボレーターたちに考えを伝えました。

ダンサーたちを招集したのは2013年5月。皆で話し合い、情報を共有するところから始めましたが、非常にエキサイティングでしたね。というのも、男性ダンサーたちは皆まったく異なる出自や考えをダンスに対して持っていましたし、年齢層もかなり幅広く、最年長と最年少との間で20歳も離れていました。

いつも心がけていることですが、ダンサーたちが自由に考えを発言できる環境をつくろうとしています。そうすれば、彼らはリスクを恐れずに挑戦することができる。構造や状況を予め提示して反応を見ることもありますが、創作のプロセスではいつも即興的な試みも行います。個々から発せられる、新鮮で予期せぬものが生まれますからね。

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『MORPHED』 photo Mikki Kunttu