残業代ゼロ!ホワイトカラー・エグゼンプションがついに実現?
ホワイトカラー・エグゼンプションの導入で働き方が変わる
労働時間規制が適用にならないということは、端的には残業代が出ないということです。働く人にとって、影響がありそうですね。
ところで、ホワイトカラー・エグゼンプションの対象者は、高度の専門知識を背景に自己の裁量で業務を進め、成果を実現していくことが期待されている労働者です。ホワイトカラーの中でも、プロフェッショナルと呼ぶにふさわしいハイレベルの労働者で、収入も労働者の平均年収の3倍以上の額(少なくとも1000万円超)を貰っている人に限定されます。
ホワイトカラー・エグゼンプションは、残業代ゼロ法というショッキングな表現で報道されることもありますが、そもそも賃金が低額で、残業代が無ければ生活できないような労働者を対象にしたものではありません。むしろ仕事の成果を労働時間で測ることが難しい労働者が対象なのです。
仕事がハードになって、健康が悪化するのでは!?
残業代が出ないことから、これまで以上に仕事をさせられるのではと考える方も多いと思います。そういった心配はもっともですが、今回の法案では、社内に労使委員会を設置して対象業務を明確にすることと、対象者本人の同意を得ることが条件として明記されています。また労働者が職場にいた時間の把握や、休息時間や休日の確保についても規制が設けられています。高度の専門知識を有する労働者は市場価値が高く、報酬額も社内の他の従業員に比べて高額です。一方で、仕事の進め方や本人の創意工夫によって、仕事の成果に大きな違いが出るのもこういったプロフェッショナルの特色。仮に働き方が非効率で、残業時間は多いが成果は出せていないとなると、会社や他の従業員の納得が得られないのではないでしょうか。
なお、ホワイトカラー・エグゼンプションが導入されたとしても、現時点での報酬額は保証され、不利益に引き下げられることはないようです。