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上海の中華街!? 水の都、朱家角の日帰り最新案内

朱家角(ジュージャージャオ)は上海の市街から1時間ほどで行ける町。石橋のかかる水路に木の舟が行きかう歴史的な水郷です。数百年前の建物や街並みを残しつつ、老舗店に混ざって若い人や外国人が開いたカフェなども点在。2014年には新エリア「尚都里」も登場しました。古今東西がミックスした雰囲気はまるでチャイナタウンのよう。見所にお土産、食べ物まで、上海を午後に出ても日帰りで楽しめる最新の朱家角を案内します。

森 麻衣佳

執筆者:森 麻衣佳

上海ガイド

上海市街から1時間。悠久の歴史に古今東西が溶け込んだユニークな水郷

放生橋からの眺め

たおやかな情緒が漂う水辺の景色は江南地方ならでは。朱家角は入村料をとらないので、気軽に訪れることができます。


中国・江南地方には河川や湖沼が多く、古くから水路の要所として栄えた町がいくつも残っています。上海市の中心から西へ約48キロメートルの距離にある朱家角はその一つ。4世紀の三国時代に始まり、明代の万暦年間(1573~1619年)に栄えた水の都です。

遊覧船

舟からのんびり眺める水郷の景色もいいものです。

数ある水郷の中でも朱家角はちょっと特殊。明代や清代(1636~1912年)の文化を色濃く残す古鎮(グージェン、古い町のこと)エリアに地元や地方から来た若い人や外国人がお店を開くなどして独自の発展を遂げているのです。博物館やギャラリー、日本人建築家の磯崎新氏が手がけた音楽ホール「水楽堂」、在住アーティストのアトリエもあります。さらに、2014年には古鎮の向かいに新しいエリア「尚都里(シャンドゥーリー)」も登場しました。

ゴンドラならぬ木の平底船が水路を行きかう風景は「上海のヴェネツィア」と称されることもありますが、コンパクトだけど奥が深くて、いつ行っても不思議な面白さがあり、古今東西なんでもありな感じは…イタリアというよりチャイナタウン! 都会っ子の上海人にとってもディープな魅力があるのです。

夕暮れの朱家角

日が暮れる頃も活気があります。上海市街への最終バスは21時。

朱家角への交通はチャーター車かタクシー、高速バス。上海の市街からいずれも1時間ほどで着くので、午後に出発しても十分日帰りで楽しめます。
タクシーの料金は上海の中心地からだと200元ほどが目安です。安く行くなら普安路のターミナルから出る高速バスで。片道12元です。ただし、終点で下車してから古鎮の入口まで10分ほど歩くことと、混んでいるときは定員オーバーすることもあるので時間に余裕をもって行動してください。
週末や祝日は道が歩きにくくなるほど人でいっぱいになることも。静かに楽しみたいなら平日がおすすめです。


古民家カフェや占いもある歴史地区をメインに、モダンエリアもチェック

朱角家に着いたら古鎮の入口を目指します。運河の間に張り巡らされた水路が縦横に走る、面積約1.5平方キロメートルの歴史的エリアです。

放生橋

放生橋は上海地区最大の石橋。かつて僧侶がこの橋から生きた魚を放して善行を積んだといわれています。

新風路から古鎮に入ると目に入るのは放生橋。元々は1571年に建てられた石橋で、朱家角のシンボル的な存在です(現在の橋は19世紀初めに架け替えられたもの)。全長70.8メートルあります。

橋を起点に北大街や、橋を渡って西井街などを歩きます。瓦ぶきの屋根に白い土塀の家屋がぎっしりと並び、1階の多くはお土産屋さんや飲食店になっています。もうもうと湯気を立てる豚の角煮やちまき、骨付き豚肉、煎り青豆(大豆の一種)、細切り大根の揚げ餅、塩釜うずら卵など、面白い食べ物もいっぱい。

ちまきなど

ちまきや角煮は一つ2元前後で売られています。

老舗店に混ざって古民家をリノベーションした雰囲気のあるお店も点在しています。なかでも漕河街にはおしゃれなカフェやバー、雑貨店やアクセサリーショップなどが多数。

古鎮にはほかにも漬物店や甕に入った中国酒の専門店、工芸品の店、占い師がいる店やお化け屋敷(!)まであり、とにかく賑やかです。





和心園

清代に造られた個人庭園の和心園もおすすめ。参観料は20元。昔の富裕層の暮らしぶりがわかります。

観光的な見所もたくさんあります。14世紀の元代に創建されたといわれる禅宗のお寺「圓津禅院」や城隍廟、江南様式の庭園「課植園」、現在も営業する1877年創業の漢方薬局「童天和国薬号」、清代からの郵便局など。全部見ているとかなり時間がかかるので、ポイントを絞って訪れましょう。「江南地方ではどんな暮らしをしていたのか、人々の生活に何が必要だったのか」と考えながら見てまわると楽しさがアップします。

遊覧船は放生橋と課植園、城隍廟に乗り場があります。舟は6人乗り。ショートコースだと一艘65元です。運河で洗濯をしたり、外で日光浴をしたりする住人の暮らしの光景を見られることもあります。


尚都里

尚都里エリア。建物のデザインは朱家角の伝統様式にならっているそうです。

新しいエリアの尚都里は放生橋側の古鎮の入口近く、工場の跡地にできました。張永和氏をはじめ、複数の有名建築家が手がけています。
尚都里にあるのは中国スイーツの店やチョコレートショップ、アートサロン、陶器店、デザイングッズショップ、それにスターバックスコーヒーなど。現在も開発が続いており、2015年夏には伝統劇を上演する劇場がオープンする予定。年末までにホテルを含めエリアの8割ほどが完成するそうです。

 
尚都里の茶館

静かにお茶を楽しめるモダンな茶館もあります。

尚都里はいわばモダンエリアで古鎮とは雰囲気が異なりますが、お土産も売っていますし、全般的にお手洗いもきれいで旅行者には便利な一面も。古鎮をメインにまわり、行きか帰りに尚都里にも立ち寄ってみるのが朱家角の新しい巡り方かもしれません。



次ページでは朱家角ならではのお土産と食べ物を紹介します。

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