【5月開幕の注目!ミュージカル】
『アイランド』5月7~12日=六行会ホール←観劇レポートUP!
『あさはなび』5月20~24日=ザ・ポケット←観劇レポートUP!
『ブレイン・ストーム』5月21~24日=六行会ホール←観劇レポートUP!
『戯作者銘々伝』5月24日~6月14日=紀伊国屋サザンシアター←取材会レポート&公演後アフタートーク・レポートUP!
『DOWNTOWN FOLLIES Vol.10』5月26~31日=ルミネtheよしもと←観劇レポートUP!
『ジーザス・クライスト=スーパースター』5月30日~6月21日=自由劇場
【6月開幕の注目!ミュージカル】
『秘密の花園in concert』6月12~14日=川崎アートセンター アルテリオ小劇場←稽古場レポート&観劇レポートUP!
【AllAboutミュージカルで特集した、もしくは特集予定の公演】
『レ・ミゼラブル』上演中 Star Talkにて出演・ヤン・ジュンモさんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『GARANTIDOガランチード』5月21日開幕 Creatorsにて演出・謝珠栄さんインタビューを掲載!
『アラジン』5月24日開幕 白熱のオーディション・レポートを掲載&稽古レポート、スタッフ、キャスト合同インタビュー、観劇レポート&演出家ケイシー・ニコロウ合同インタビューを掲載!
『エリザベート』6月13日開幕 観劇レポートを掲載!
ミュージカル映画『蝶~ラスト・レッスン~』6月1日ダウンロード上映開始 監督・角川裕明さん、出演・上口耕平さん&染谷洸太さんインタビューを掲載!
【Pick of the Month May 今月の一本】
『あさはなび』
5月20~24日=ザ・ポケット『あさはなび』
都会生活で疲弊した若者たちが、セラピーの一環で福島の農家を訪ねる。土にまみれる中で人間の本来の姿を見出しかけるが、東日本大震災が発生。畑の一部は汚染区域として立ち入り禁止となり、風評被害で作物は売れず、住民たちの一部は土地を離れてゆく。絶望的な状況の中で、若者たちは、残った人々が立ち上がる姿を目の当たりにする…。
いずみたくさん創設のミュージカル劇団イッツフォーリーズの最新作は、震災で被災した人々を巡る、川本昭彦さん(見上げたボーイズ)作・演出の書下ろし。大きな不幸をきっかけに現れる“人間の底力”が、大竹創作さんの音楽に彩られ、力強く語られます。難しいテーマに真正面から取り組み、エンタテインメント要素もたっぷり盛り込んだ意欲作。団結力に定評のあるイッツフォーリーズならではの、ぬくもり溢れる舞台が期待されます。
『あさはなび』稽古より(C)Marino Matsushima
稽古は中盤。演出の川本さんはもちろん、安室奈美恵らへの振付で知られる振付家・三枝宏次さんも交え、動きの細かなチェックが行われています。主人公が働く都会の店でのコミカルなナンバーをさらった後は、農家のシーンへ。大自然を表現する“コロス”役の女性たちが登場し、風に反応してうごめいたりしながら成長する木々、草花を全身で表現します。大まかな動きだけ決まっていた箇所では、三枝さんが一人一人の動きを見ながら「もっとこういうこと、できる?」とやって見せながら提案。ちょっとしたひねりや重心の移動、手の位置によって、ぐっと表現が深みを増し、大自然が息づいてゆくかのようです。位置づけとしてはあくまでメインキャストの芝居の“傍らにある”役ではあるものの、こだわりをもって丁寧に組み立てられ、確かな存在感を放つコロスもお見逃しなく!
『あさはなび』作者・川本昭彦さん(右)とプロデューサー、出演の大塚庸介さん(C)Marino Matsushima
『あさはなび』写真提供:オールスタッフ
グレーの布をまとった出演者たちが思い思いにステージにたたずみ、ラムネ瓶や貝のモビールなどを使って「大自然」を思わせる曲を奏でる。そんな「オーガニック」な導入部から一転、舞台は都会暮らしで神経が疲弊し、笑えなくなってしまったヒロインと、やはり病気により常に顔面が笑って見えてしまう友人の姿を、ユーモアを交えながらもドライに描いてゆきます。
そんな彼らがふと思いつき、参加するのが福島での「農業セラピー」。舞台はこの農園シーンから目覚ましい力強さを見せ、主人公たちが地元の人々と触れ合い、土にまみれて作業をしてゆくうち少しずつ人間性を取り戻してゆく、にも関わらず東日本大震災に見舞われ、コミュニティ全体が絶望の淵に落とされるが、そこから真の「生きる力」に目覚める過程を見せてゆきます。
『あさはなび』写真提供:オールスタッフ
『あさはなび』写真提供:オールスタッフ
『あさはなび』写真提供:オールスタッフ
*次頁で『アイランド』以降の作品をご紹介します!