Facebookはホームページとは目的がまったく異なる
ホームページ同様、Facebookもインターネットを利用したものです。しかし、私が考えている利用目的は、ホームページとFacebookでまったく異なります。それに対して、Facebookは「これまで会ったことのある方」を顧客として想定しています。そして、「これまで会ったことのある方がご紹介してくれた方」も顧客として想定しています。
紹介が理想
一般的に理想的な集客は「紹介」です。「お客様から依頼を受けた仕事を終了した→仕事に満足したお客様が別のお客様を紹介してくれた→仕事を終了した→仕事に満足したお客様がさらに別のお客様を紹介してくれた」という流れです。実際には、このように「仕事→紹介→仕事→紹介」の流れがまったく途切れないわけではなく、途切れてしまいます。しかし、「いったんは途切れたが、数年後に別のお客様を紹介してくれた」「ある時、毎月何件も依頼をくれるお客様に出会うことができた」ということが積み重なっていくと、事務所経営が安定してきます。では、紹介してもらうためには、何が必要でしょうか。もちろん、仕事をしっかりとこなすことは重要です。迅速に仕事を処理し、それでいて丁寧に仕事をし、マメに現状をお客様に報告する必要があります。しかし、それだけで別のお客様を紹介してくれるかというと、少し心もとないです。仕事をしっかりとこなすだけではなく、「お客様との人間関係」があると別のお客様を紹介していただける確率が上がります。
初めてお会いしたお客様と人間関係を作っていくことが不可能なわけではありませんが、司法書士のメイン業務である登記の場合、お客様と直接お会いする機会も少ないので(お客様と一度しか会わない場合もあります)、なかなか人間関係を作るのは難しいです。そこで、「これまで会ったことのある方」、つまり、何かしらの人間関係がすでにある方がお客様として理想となるのです。
Facebookを知り合いと再度つながるために
私は、予備校で司法書士試験の講師をしています。予備校では、その年の合格者の方をお祝いする祝賀会が毎年ありますが、私が講義をしている予備校の所長が、祝賀会で合格したばかりの方に毎年伝えることがあります。「司法書士試験に合格したことを、小学校、中学校、高校、大学の同級生に手紙で知らせなさい。500~1000通くらいにはなるでしょう。その中に、法律家になるみなさんを必要としている方が必ずいます。その人のためにも、みなさんには伝える義務があります。」
「学生時代の友人が仕事をくれるの?」「私の友人で法律問題を抱えている人なんていなそうだけど」と思われるかもしれません。私もそう思っていました。しかし、友人が、私が司法書士試験に合格したことを知ると、法律問題を相談してくることがかなりありました。単なる友人や知り合いには相談しないのが普通ですが、「資格を取ったこと」を知ると、急に相談候補に挙がるのです。「こんな人がこんな法律問題を抱えていたんだ」と驚いたことが、多々ありました。今はだいぶ少なくなってしまいましたが、合格後は1か月に1回程度は何かしらの相談をされました。「こんなに困っている人がいるんだな」と実感しました。
ただ、上記のようにすべての方に手紙で伝えるのは、難しい方が多いと思います。主に以下の2点の問題があると思います。
1.住所がわからない人が多い
2.「合格した」と直接知らせることは幸せ自慢をしているようで気が引ける
そこで、この2点を解決してくれるのが、「Facebook」です。
Facebookでつながりを構築
※Facebookで「友達」とは、Facebook上でつながっている人のことです。片方が友達リクエストを送信し、相手方が承認すると友達になります。
そして、Facebook上で、司法書士試験に合格したことや司法書士の仕事をしていることを投稿すれば、Facebook上の友達に合格したことを伝えることができます。この投稿は、特定の友達宛てのものではありませんので、直接「合格した」と伝えるよりはかなりハードルが低くなると思います。
Facebook利用上の注意点
これは、ホームページやブログなどにも言えることですが、「守秘義務」にはご注意ください。司法書士の場合、司法書士法24条で守秘義務が課せられており、これに違反した場合には懲戒(業務の停止など)になり得ます。業務内容は、お客様の承諾などがなければ公表することはできません。よって、Facebookなどに投稿するときは、特定の依頼についての言及は避け、「裁判関係の仕事をしています」「仕事で裁判所にきました」など、一般化した内容にとどめてください。この記事で、私が学生時代の友人から受けた相談も「こんな人がこんな法律問題を抱えていたんだ」などとかなり一般化して書いています。
守秘義務に注意する必要はありますが、Facebookを「人間関係の掘り起こし」にうまく使ってみてください。