昭和の歌姫・美空ひばりの生涯をバレエ化しようと考えたきっかけをお聞かせください。
シャンソン歌手のエディット・ピアフやジュディ・ガーランドなど、多くの人々に感動を与えることができるのは世界中でも本当に限られたアーティストだけ。世界のほんの数人だけが、深い感動を人々に与える力を持っている。彼女はまさに、その数少ないアーティストのひとりだと強く感じました。そこで、これはぜひ舞台化した方がいいと久保さんに提案したんです。
リン>久保さんに勇気付けられる形で、この作品を私自身が手掛けることになりました。私にとって興味深かったのは、テーマが歌だったということです。この『HIBARI』という作品は、純粋なバレエ作品というよりはむしろショー。私が普段手がけているミュージカルやショーにはたいてい歌があるので、私にとって非常にやりやすいテーマでもありました。
ひばりさんの人生をバレエ化するのは本作が初めてですね。
企画を打診した際、先方の反応はいかがでしたか?
久保>加藤さんは最初からとても協力的でしたね。バレエ団のリハーサルにも足を運んでくださったり、全面的にバックアップしていただき、とても助かっています。音楽に関してはコロムビア・レコードに著作権がありますし、映像に関しては各方面に渡っているので手続きはなかなか大変ですが、そういったことも全てひばりプロダクションのバックアップによって助けられています。