バンクーバー/バンクーバーのお土産・観光

日系人ゆかりの港町、スティーブストン/バンクーバー

カナダで日本人が最初に定住した場所、スティーブストン。フレーザー川の河口近くにある漁港は、お店やレストランが立ち並び、川面を渡る風が気持ちの良い、散策にうってつけの場所。国定史跡でこの港町の歴史に触れ、新鮮な魚介類に舌鼓を打つ。バンクーバーから少し足を伸ばして楽しみたい。日帰りで行ける、小さな街をご紹介します。

執筆者:下村 猛

古き良き漁港の雰囲気が感じられる、スティーブストン

休日にはたくさんの人が散策を楽しむボードウォーク

休日にはたくさんの人が散策を楽しむボードウォーク

バンクーバーのダウンタウンから南へ約1時間。お隣リッチモンド市の南端にあるスティーブストンは、フレーザー川の河口に位置する港町。たくさんの漁船が停泊するカナダ有数の漁港のひとつですが、港の周辺にはたくさんのレストランやお店が軒を並べ、お天気の良い日には気持ちの良い散策が楽しめる、このエリアで人気の高いウォーターフロントスポットとして知られています。

また、このスティーブストンは、カナダで最初に日系人が定住した場所。フレーザー川を遡上する鮭の大群を見て、この地の漁業で身を立てたそうです。この地には、今でも日系3世や4世といった方がたくさん住んでいて、日本人としても興味深い場所です。

今回はバンクーバーから半日または1日のサイドトリップとしておススメのスティーブストンの楽しみ方をご紹介します。

近海の魚介類が水揚げされるフィッシャーマンズワーフ

漁船の上には、所狭しと並ぶ新鮮な魚介類の数々

漁船の上には、所狭しと並ぶ新鮮な魚介類の数々

スティーブストンでまず覗いてみたいのが、フィッシャーマンズワーフ。規模は小さなものですが、近海で穫れた鮭、マグロ、カニ、エビなどが漁船に並べられ、新鮮なシーフードを求める地元の人達で賑わっています。観光客として、ここで買い物をするのはやや無理があるかもしれませんが、バンクーバーの海で穫れるシーフードを見て回るだけでも楽しいもの。

スティーブストンの港があるフレーザー川や近海にはたくさんのアザラシやアシカが生息しており、特が遡上する夏の終わりから秋にかけては、たくさんのアザラシたちが鮭を追って、この川にやってきます。さらに、この港の近辺では漁船からのおこぼれ目当てのアザラシやアシカがいて、至近距離で見られることも珍しくありません。川面に目を凝らしていると、こうした動物を見つけられるかもしれませんよ! さらに船に乗って沖に出れば、アザラシやアシカはもちろんのこと、もっと大きな野生動物であるシャチを見るホエールウォッチングツアーも! ツアーのボートはこのスティーブストンから出港しています。

バンクーバー・ビクトリアからのホエールウォッチング(バンクーバーでのツアーページ)

白身魚のフライとポテトのコンビネーション、フィッシュアンドチップス。カナダの港町では定番の食べ物 (C) officek/a.collectionRF/amanaimages

白身魚のフライとポテトのコンビネーション、フィッシュアンドチップス。カナダの港町では定番の食べ物 (C) officek/a.collectionRF/amanaimages

昼食はもちろん、シーフード。特に手軽に食べられるクラムチャウダーやフィッシュアンドチップスがおススメ。レストランでも食べられますが、天気の良い日にはスナック感覚でテイクアウトして、川面からの風を浴びながら、ピクニック感覚で頂きたいですね。






国定史跡、ジョージアキャナリー(ジョージア湾缶詰工場)

操業当時の様子が緻密に再現された館内

缶詰工場の操業当時の様子が緻密に再現された館内

カナダの国定史跡であることを示す看板

カナダの国定史跡であることを示す看板

スティーブストンはカナダでも歴史ある漁港のひとつとして知られています。その中で、この漁港の最も活気に満ちていた時代を伝える建物が、このジョージアキャナリー。19世紀末に建てられたこの建物は、水揚げされた鮭を缶詰にする州内最大の工場として、この地の発展に寄与し、多くの日系人もこの工場で働いていたそうです。工場としての役割を終えた後、倉庫として使用されていましたが、スティーブストンの水産業の歴史を伝えるべく、缶詰工場の様子を忠実に再現した、漁業博物館としてオープン。カナダ国定史跡として、その重要性が認識されています。

<DATA>
Gulf of Georgia Cannery National Historic Site of Canada
営業時間:10:00~17:00(年末年始などを除き、年中無休)
料金:大人7.80カナダドル、シニア(65歳以上)6.55カナダドル、子供(6~17歳)3.90カナダドル、5歳以下無料

電車とバスで簡単にアクセス

スティーブストンへは、バンクーバー空港方面への電車スカイトレインと市バスでアクセスが可能。先に触れたホエールウォッチングに参加する場合、ツアー催行会社の送迎があるので、そちらを利用のこと。

<DATA>
■Steveston
アクセス:ダウンタウンからスカイトレイン・カナダラインで終点リッチモンド・ブリッグハウス駅へ。スカイトレインのカナダラインには、空港行きとリッチモンド・フリッグハウス行きの2種類があるので、乗り間違えのないように。そこからバス401、402、407のいずれかに乗車。いずれのバスもルートは異なりますが、終点は同じスティーブストンです。所要時間は合計で1時間弱。料金は大人4カナダドルですが、週末や夜間は2.75カナダドルになります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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