システムエンジニアに求められる3つの資質
1.「経営者」「従業員」「顧客」の3つの視点を持つことができるこの3者には、いずれもそれぞれの立場におけるニーズ・ウォンツがあります。
経営者であれば、開発するシステムやソフトによってもたらされる効果(利益率アップや業務効率化)を最大化したいと思うでしょうし、従業員であれば、やはり使い勝手の良さと安定稼働が第一でしょう。顧客の立場であれば、個人情報が適正に管理されているのか、導線や操作がわかりやすいかなどが気になるところです。
SEには、それぞれの要望を叶えるために必要な要件(仕様)を定義し、偏らない柔軟な視点を持って「三方よし」を実現するスキルが求められます。そのためには、社会人としてのコミュニケーション能力はもちろん、複数の異なる立場の人たちから要望を聞き出す高い質問力も必要になります。
2.システムやアプリの開発に必要な技術的知識がある
SEにはプログラマ(PG)経験者も多いのですが、全くの未経験者もいます。
技術的知識があると、プログラマからの信頼も得やすい
例えば、実際に開発するPGの得意な開発言語やデータベースが分かっていれば、開発工数の見積もりを少なくできるケースもあります。あるいは、システム改修時などに、既存のシステム環境をより詳しく理解できれば、最短ルートで適切な改修が可能になります。
最小限のコストで最大の効率をめざすためにも、開発ができるレベルとは言いませんが、PGとある程度の技術的な会話や意思疎通ができるレベルまでは、ベーシックな開発知識・スキルを身に付けておくべきでしょう。
3.問題(課題)解決力が高い
システムやアプリの開発時に、仕様ミスや不具合(バグ)といったトラブルが起こることがあります。そのとき、何をどうしたらそのトラブルを速やかに解決できるのか、冷静に考えることもSEの重要な役割です。
状況を素早く的確に把握・分析したうえで対策を考え、PGに具体的な指示を出しながら、発注者にトラブル報告と説明、進捗共有をする。これは、いわば管理職と同じような対応スキルが求められるということです。
経験を積むことも確かに役に立ちますが、予期せぬことが起こっても臨機応変に対処するには、設計の全体図を俯瞰できていることが大切です。全体の流れとつながりが分からなければ、対処すべきポイントが掴めないからです。
さらに今後は、SEが担当する業務の中でも、プロジェクトマネジメントの比率が上がっていくことが予想されます。今回挙げた3つの資質は、いずれもプロジェクトマネジメントにおいても必須のもの。こちらを参考にしながら、自社における「安心して任せられるSE」の基準を考えてみませんか?