戦略の効率性を高める「ドメイン」設定
一方の「ドメイン」。これは戦略における戦う場所の事です。自身の事業の主戦場をどこにするか、これを決めることが今ひとつの起業時戦略策定における必須の構成要素なのです。すなわち戦略策定で「コアコンピタンス」と「ドメイン」を確定させるということは、起業において何を武器としてどの戦場で戦うのかを明らかにすることに他なりません。いくら強力な「コアコンピタンス」を持っていようとも、戦う場所、マーケットの絞り込みができずに、感触の良さそうな場所を手当たり次第にあれもこれも攻めることは、効率的ではありませんし、せっかくの「コアコンピタンス」を十分に活かしきれないことにもつながるのです。
まずは、なるべく絞り込んだ一定カテゴリーに属するターゲットや、狭いマーケットに絞り込んで経営資源を効率的に投入することが成功する起業につながると言っていいでしょう。ひとつのマーケットを攻めてうまくいくようなら徐々にその対象を広げる、あるいはダメなら次のマーケットに移る等、計画的な「ドメイン」設定をすることが大切なのです。
この点でもガイドは、はじめから多方面にアプローチすることはせず、まず身近な中小企業に「ドメイン」を絞り込みました。そして「コアコンピタンス」である人脈を活かしたアプローチをして、いくつかのクライアントを確保。それが安定した段階で「ドメイン」をメディア関連に広げ、同じく「コアコンピタンス」である人脈を活かした活動で執筆やさらには講演等へとビジネスを広げて来たのです。
「仕掛け」プラス「仕組み」で戦略は強くなる
仕掛けと仕組みで起業戦略は強固になる
実は戦略は外向けの「仕掛け」戦略のみで完結するのではなく、もうひとつ内向きの戦略が伴って初めて有効な戦略として機能するのです。この二面の対をなす外向け戦略に対する内向けの戦略が「仕組み」戦略です。「仕組み」戦略は、組織内部をいかにして効率的に運営し、持てる経営資源を「コアコンピタンス」活用にどれだけ有効に注力できる環境を作るかという戦略です。「仕掛け」と「仕組み」、両輪が機能してはじめて起業戦略は力を発揮するのです。ややもすると陰に隠れて軽んじがちな内向き戦略ですが、実は起業成功へのカギを握っていることも多いのです。
起業戦略における必須構成要素としての「コアコンピタンス」「ドメイン」設定を忘れず、同時に外向けの「仕掛け」戦略と共に内向けの「仕組み」戦略をしっかりと意識して作り上げることで、起業成功の確率は大きく高まることでしょう。
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