起業戦略に不可欠な「コアコンピタンス」と「ドメイン」

解説

起業は思いつきで走らず、時間を掛けて必要要素を詰めるのが肝要

ミッションに基づく主業が決まって起業を実行に移し、中期的に「めざす姿」を定めたビジョンも固まったら、次はいかにしてその「めざす姿」に向かっていくべきなのか自社の「戦略」を立てましょう。起業はしたものの「戦略」なきまま行き当たりばったりで事業に着手する起業者を間々見かけますが、これは波任せに航海に出るようなもの。手漕ぎボートで大海に漕ぎ出してはみたものの、波に連れ去られ遭難、沈没に向かっている状態と言っていいでしょう。

「戦略」とは何か。これは、ビジョンによって設定された「めざす姿」と「現状」のギャップを埋める手立てのことを指します。その手立ては、ただやみくもに思いつくままやりたいように作ればいいというものではなく、戦略必須の構成要素があるのです。それが「コアコンピタンス」と「ドメイン」です。

「コアコンピタンス」なき起業は失敗の可能性大

「コアコンピタンス」とは、他社に勝る自社独自の強みのことです。これは必ずしも特殊な技術力や独自の営業ルートと言ったビジネス直結のものでなくともかまいせん。例えば、発想力の豊かさ、チームの仲良し度合い、交友範囲の広さ等々、起業に際して自分や同志が持っているあらゆる経営資源を洗い上げ、他の誰かが起業を考える場合よりも明らかに優れていると思われるものを見つけます。それが起業時の自社「コアコンピタンス」なのです。

経営資源をいくら書きあげてみて、もし他の起業人よりも優れていると思しきものが思い当たらないなら、その起業は失敗する確率が高いと言わざるを得ないでしょう。なぜならば「コアコンピタンス」は戦略策定上必須の他社と戦う道具なのですから、それなくして実効性ある戦略は立てられないということになるからです。

ちなみにガイドが起業した際の「コアコンピタンス」は、サラリーマン時代に培った幅広い人脈でした。取引先、協力業者、マスコミ関係者、金融関係者、公官庁関連等々、自分が立ち上げようとしていた企業支援ビジネスに確実に役に立つ人脈の数と質は、ざっと見渡したところ誰にも負けないという自負がありました。以来約10年にわたり、特段資格を有しているわけでもなく、特定の企業の下請けをするでもなく、こうしてやってこられているのは、ひとえにガイド自身の「コアコンピタンス」である人脈のおかげに尽きると感謝しています。