セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

話題の映画『イミテーション・ゲーム』が公開中!(4ページ目)

「コンピュータの父」であり第二次大戦の英雄であったアラン・チューリングの天才と、ゲイを許さなかった時代ゆえの悲劇を描ききった感動的な映画です。今をときめくベネディクト・カンバーバッチが主演し、アカデミー賞脚色賞を受賞したほか多数の映画賞で賞賛を集め、社会的影響も高い注目作。必見です!

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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渋谷区の同性パートナー条例をめぐる世間の動き

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』や『Empire 成功の代償』をご覧になった方は、どんなに才能があって世界に貢献する人材であろうと、たまたまゲイに生まれたというだけで差別されたり、迫害を受けたりすることの不条理を、ひしひしと感じられると思います。こうした不条理は、未だに世界のあちこちに残存しています。

国際社会はもはや、(ロシアのように、あるいは未だに同性愛者を投獄する国のように)ゲイを弾圧することは許されない、という態度を明確にしています。国連は以前からLGBTの権利擁護を各国が遵守すべき基本的人権だとしていますし(日本も差別是正の勧告を受けています)、昨年12月にはついに国際五輪委員会(IOC)が性的指向による差別を禁止する旨を五輪憲章に盛り込む決定をしました(これにより、今後、同性愛者を差別する国はホスト国の候補から排除されます。ソチ五輪の反省からです)

そんななか、日本の国会議員もついに、動き出しました。3月17日、性的少数者への差別をなくそうと、初の超党派の国会議員連盟「LGBTに関する課題を考える議連」が発足したのです。

議連の呼びかけ人は自民党の馳浩・元文部科学副大臣、公明党の谷合正明・政調副会長、民主党の細野豪志・政調会長ら3党の若手中堅議員。東京都渋谷区が同性のパートナーに証明書の発行を検討していることを踏まえ「多様性の重要性を考えるとき、性的少数者の諸問題を避けて通ることはもはやできない」(趣意書)と判断したもの。まずは当事者に対する聞き取りや海外の法制度の研究を始めるとのこと。馳浩議員は記者会見で「私たちの地方自体の取り組みに何らかの動きがある中で、立法府としても議論の土俵を作っていくべき」「五輪を迎える日本社会が性的少数者にどう対応しているかが必ず問われる。基本計画の理念の具現化が必要だ」と語っています。

LGBTの課題を考える超党派議連の発足を受け、3月17日、TBSでは1日に2度も同性パートナーシップの特集が放送されました。夕方の「Nスタ ニューズアイ」では「日米の女性が結婚式。同性カップルの思いは。法律や理解の壁を越えて」と題し、虹色ダイバーシティの活動もお手伝いしている京都在住のレズビアンカップルや、昨年『ゼクシィPremier』で特集された結婚式を挙げたゲイカップルも登場しました。夜の「NEWS23」では「同性カップル新しい“家族”のあり方」と題し、こちらのカップルや、グッドエイジングエールズの方たち、世田谷区の保坂区長、早稲田大学・棚村教授のコメントなどが紹介されました。キャスターが「21世紀は多様性の時代。性的マイノリティの皆さんを社会が制度的に支えるということが、多様性の受け入れにつながる」と、実にいいことを言ってくれました(詳しくはこちら

その前日には、毎日新聞が実施した全国世論調査で同性婚に賛成する人(44%)が反対(39%)を上回ったというニュースが届きました。固定電話にかける調査方法なので、街頭インタビューなどに比べてより保守的な回答になりそう(反対が多くなりそう)ですが、それでも賛成多数。アメリカで同性婚に賛成する人が過半数を超えたのがようやく2010年になってからだった(結婚防衛法が成立した1996年には、同性婚支持率はわずか25%)ということを考え合わせると、驚きの支持率です(詳しくはこちら

しかし一方で、「NEWS23」でも報じられていましたが、渋谷区がパートナーシップ証明条例を準備していることへの抗議として、一部の団体がほとんどヘイトスピーチのような反同性愛デモを行いました(街行く人には無視され、レインボーフラッグを掲げた条例支持者の方が目立っていたそうで、幸いでした)。1年前に書いたこちらの記事で心配していたことが、とうとう現実になったのです。また、政権与党の幹部が「憲法で認められていないのに、地方自治体の条例で認めたら、国が分裂混乱する」などと懸念を表明したり(憲法を解釈だけで歪めようとしているのは一体誰なのか…)、同党の都議から「渋谷区で条例が採択されたら、次の区長が廃止する」という声も上がっています。某宗教団体が怪文書のようなチラシを撒いたりもしています。

渋谷区の同性パートナー条例って、結婚とかではなく、愛する人といっしょに住めるとか、長年連れ添ったパートナーの死に目にあえるようにするというくらいの、ごくささやかな、人として当たり前の権利を認めるという話です(それさえ許されないなんて…差別でなくて何なのでしょう)。せめて人並みに幸せに暮らしたいと願うことは、そんなに「社会を混乱」させたり、「伝統的な家族」を壊したりすることでしょうか? 「少子化に拍車がかかる」と言う人には、あなたの子どもや親戚、知人が同性愛者だったとしても同じことを言いますか?(偽装結婚して子作りに励めとでも言うんですか?)と申し上げたいです。

もっとも、渋谷区議会は定数31(欠員2)で、反対する見通しの自民党議員は8人だそうですので、可決は間違いなさそうです。今月31日に本会議で採決が行われ、無事に採択されれば4月1日に施行されるそうです。4月26日のパレードは、渋谷区への感謝の気持ちも込めながら、最高の笑顔で歩きたいですね!
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