操作方法、吐水・止水方法など、さまざまなタイプがある
キッチンを検討する際には、レイアウトはもちろん、カウンタートップやシンク、コンロなどの機器をひとつひとつ選び、プランニングを進めることになります。その中でも、水栓金具は、機能性や使い勝手、デザイン性などが気になるアイテムのひとつでしょう。キッチンのポイントともなる水栓金具。使い勝手とデザイン性の両面から検討したい。[システムキッチン ザ・クラッソ] TOTO
付加されている機能には、ハンドシャワーや浄水機能など。また、デザイン的な特徴から、グース型・グースネックと呼ばれるような形(ガチョウの首のようなカーブ)の水栓もみられます。その他、設置する方法によって、壁付けタイプ、デッキ(シンクやカウンター)上に取り付けるタイプなどがあります。
キッチンで用いられる水栓の種類と特徴
後方にカーブしたグースネックのフォルム。スイスのメーカーの商品。 [KW0201122R キッチン用湯水混合栓(スパウト引出しタイプ LEDライト付)] セラトレーディング
■シングルレバー混合水栓
ひとつのレバーハンドルの上下操作で吐水・止水、左右の操作で湯水の量や温度を調節が可能なタイプ。片手で操作でき、使い勝手も楽なことから、キッチンでは多く用いられています。出し止めもこまめにできるので、節水効果が期待できるでしょう。価格やデザインバリエーションも豊富に揃い、多く取り入れられるシステムキッチンの標準的な設定も、ほとんどがシングルレバーです。
給湯・給水のふたつのハンドルを使って量と温度を調節するタイプ。個性的なデザインの輸入品などにもみられます。
■ハンドシャワー付混合水栓
先端部分からホースを引き出すことのできるハンドシャワーがついた水栓のこと。多く用いられているタイプです。大きな鍋やシンクの隅々までシャワー水流が行き届くので、洗い物などには便利でしょう。
■浄水専用水栓・一体型水栓
通常の水栓金具のほかに、浄水用の水栓をつけるケースもみられます。カウンター下などにカートリッジ(浄水フィルター)を設置するアンダーシンクタイプと水栓金具の本体にカートリッジを内蔵したタイプがあります。また、通常の水栓金具に浄水機能を組み込んだ一体型のタイプもみられます。
浄水器を内蔵したシングルレバー混合水栓。清潔さを感じるホワイトのタイプ。[オールインワン浄水栓] LIXIL
吐水口の下に手や食器などを近づけるとセンサーが感知し吐水し、遠ざけると自動で止まる水栓。また、上部のセンサーに手をかざすだけで吐水し、再度かざすと止水するタイプもみられます。いずれも、センサーの精度が高まり、使いやすい商品も増えてきています。ハンドル操作がいらないので、両手がふさがっていても使用することが可能。調理中でも水栓を汚すことがないのもメリットでしょう。
■スイッチ式(タッチスイッチタイプ)水栓
水栓の先端などにあるスイッチで吐水・止水するタイプの水栓。手の甲や手首でタッチするなど、簡単に操作できるため、両手がふさがっていても出し止めが可能です。
■パーティーシンク専用水栓
通常のシンク以外に設ける、パーティーシンク用の水栓金具。コンパクトでデザイン性の高いタイプも揃っています。
節水に配慮したタイプが揃っている
キッチンの水栓はもちろん、住まいで用いられる水栓金具の傾向は、いずれも節水性能が高まってきていること。シングルレバー混合水栓や自動水栓などは、簡単に止水操作ができるので、必要以上の水の消費を抑えた節水型の水栓ですし、水流やシャワーに工夫を施すなどして、少ない水で洗うことができるタイプなど、各社それぞれ工夫を施したタイプを揃えています。吐水・止水は上部センサーに手をかざすだけ。エコナビモードでは、吐水口の下に食器や手を出すと、センサーが検知。こまめに吐水・止水をすることで節水に。[ラクシーナ スリムセンサー水栓] パナソニック エコソリューションズ
デザイン性もアップ、国産だけでなく輸入品も充実
キッチンプランは、リビングやダイニングとつながる、ひとつの空間にレイアウトされるケースが増えてきています。オープンな対面キッチンやアイランドキッチンなどでは、水栓金具はポイントとなるアイテムのひとつとなるため、こだわる方も多くみられます。水栓金具の全体的な商品傾向は、すっきりとしたシンプルなデザインが主流ですが、個性的なデザインの水栓金具も揃っています。たとえば、グース型の水栓金具などは人気のあるデザインのひとつ。最近では、国産品はもとより輸入製品にも、豊富な商品バリエーション揃っているので、インテリア空間に合わせて選ぶことができるでしょう。
空間のアクセントにもなるデザイン。イタリアのアントニオ・チッテリオによるもの。 [HG39840 キッチン用湯水混合栓(フレキシブルスパウトタイプ)] セラトレーディング
使い勝手やお手入れに配慮を。ダイニング側からの見え方もチェック
キッチンの水栓金具は、毎日使用するアイテムなので、できる限り節水型のタイプを選ぶようにしたいものです。使いやすさやお手入れのしやすさ、シンクの大きさや設置位置などはもちろん、調理や洗い物の仕方など、わが家のスタイルを考慮して検討を。オープンなキッチンの場合は、キッチン側からだけでなく、ダイニングやリビングからの見え方などにも配慮することもポイントでしょう。造作でキッチンをプランニングする場合には、基本的に自由に水栓を選ぶことができますが、システムキッチンの場合は、商品ごとに設定された水栓の中から選ぶことになります。こだわりがある場合は、システムキッチンを決定する前にどのようなバリエーションから選択が可能か、確認しておきましょう。
ショールームで実際に操作し、水流などを確認して選ぶ
選ぶ際には、実際にショールームで操作してみることが大切です。最近では、水を流すことができるコーナーを用意しているショールームも増えてきているので、大きさや操作方法、ハンドシャワーの使い勝手などの確認を。シャワーの水流にこだわったタイプなど、手に受けて体感してみてもいいでしょう。キッチン空間の展示では、デザインなどキッチン全体とのバランスなどを確認することをおすすめします。【関連記事】
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