キャリアプラン

長い人生でキャリア開発に必要な2つのエンジンとは(2ページ目)

企業内研修やパーソナルコーチング等の仕事を通じ、ビジネスパーソンのキャリア開発の仕事に携わっています。キャリアを開発する上で、大きく2つのエンジンがあります。-それは”将来、こうなりたい”という「ビジョン」と、”今、これをしなければならない”という「ミッション」です。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

「今、これをしなければならない」というエンジン

”今、これをしなければならない”という社会的使命感も強力なエンジンです

”今、これをしなければならない”という社会的使命感も強力なエンジンです

「こうなりたい」という想いとは別のエンジンが「これをしなければならない」というエンジンです。人生軸で考えると、50代以上の方のエンジンでしょう。50代になると、仕事人生も終盤になり、今まで蓄積したことを結晶化して若い方々へ伝承したいという考えが生まれてきます。

卓越したリーダーは“金を遺すよりも人を遺す”と言われています。定年を迎えた60代以降のビジネスパーソンともお話する機会が多いですが、大方、未来の財産と言える人の育成に携わりたいという方が多いものです。

そういうシニアの方々は人生の終盤戦において、今、これをしなければならないという強いエンジンを持っています。社会的使命感というエンジンです。この使命感の強さこそ、キャリア開発をする上でエンジンとなります。

ビジョンとミッションこそがキャリア開発のツインターボ・エンジン!

この二つのエンジンをきちんと持つことがキャリア開発では一番重要です。人生の時間軸(30代、40代、50代など)において、それらの重み付けを考えていけばよろしいでしょう。ビジョンというのが未来志向のキャリア開発であり、ミッションというのが現在志向のキャリア開発です。

弊社のビジネスパーソン能力調査によると、ビジョンの測定値が高い方は結果的に他のビジネス基礎能力、例えば、リーダーシップ能力、情報収集能力、タイムマネジメント能力、メンタルマネジメント能力などが高く、強い相関関係があることがわかっています。

研修やワークショップでは、過去から現在までを棚卸しするワーク、現在の“強み・弱み”を客観化するワーク、それらを踏まえて、今後のトレンドを政治・経済・社会・技術の面で予想し、10年後の未来をビジョニングをすることになります。

企業経営と同様、舵取り役であるあなたが誤ったビジョンを描いてしまうと、いくらよい戦略と行動が備わっていても失敗に終わります。その意味で、10年の未来をビジョニングすることは極めて重要な作業であると認識しておきましょう。
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