分譲マンションレポート/山本久美子の分譲マンションレポート

【取材レポート】洗足池エコヴィレッジ

大田区にある洗足池の近くに、自然と共生する環境重視型の新築マンションがあると聞いて、モデルルームを見学してみました。住環境と快適な居住空間を追求した「洗足池エコヴィレッジ」とは、どんなマンションなのでしょうか。

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

最新住宅キーワードガイド

今回見学した「洗足池エコヴィレッジ」の大きな特徴は、立地とデザインにあります。キーワードは洗足池の低層住宅保全地区と、エコミックスデザインです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

自然豊かな洗足池徒歩1分
低層住宅保全地区に建つ

洗足池

今も豊かな自然が残る洗足池

歌川広重の「名所江戸百景 千束の池袈裟懸松」にも描かれた千束池(洗足池)。今は大田区の洗足池公園となっています。春には桜、秋には紅葉、冬は渡り鳥の楽園と自然豊かな一角です。周囲には一戸建てを中心とする低層住宅が広がっています。

大田区では、洗足池公園と一体となった、緑豊かな住環境の維持保全を図るために「洗足風致地区」の地区計画を定め、「低層住宅保全地区」に指定しています。したがって、指定された地区では10メートルを超える高い建物は建てられませんし、環境に調和した落ち着いた色彩を使うなどの制限が設けられています。

最寄り駅

東急池上線「洗足池」駅

洗足池エコヴィレッジは、この指定地区にあるため、地上3階地下1階で総戸数は16戸と小ぶりなマンションとなっています。また、建物の前の道路から2メートル後退して建物を建て、周囲に樹木や草花を植えるなど、環境に調和するように考えられています。
一方で、最寄り駅の東急池上線「洗足池」駅からは徒歩4分と交通アクセスもよく、恵まれた立地にあることが特徴の一つです。
外観写真

外観は強い日差しの熱を緩和させる白い壁にしている


エコミックスデザインにより
洗足池からの自然な風を取り入れる

売主のリブランは、東武東上線沿線を中心に40棟以上の「エコヴィレッジ」シリーズを販売しています。これは、“エコミックスデザイン”を採用したシリーズで、自然の風や日差しの入り方、温度や湿度をコントロールすることで、エネルギー消費量の少ない、快適な暮らしをデザインするという考え方です。

屋上緑化

屋上緑化。居住者が野菜などを育てられる畑も用意している

建物の周辺に樹木や草花を植えて、南側に夏は茂り冬は落葉する落葉樹、北側に常緑樹を配し、熱や日差しをやわらげることもポイントのひとつ。屋上緑化を設けるのもポイントのひとつです。屋上のコンクリートの蓄熱を防ぐだけでなく、南側の温かい空気が引き起こす上昇気流を抑え、洗足池からの冷たい空気を室内に流す役割を果たします。さらに、各住戸に緑のカーテンが作れるように、あらかじめ用意しておくここともポイントです。

エコミックスデザインに基づいて洗足池エコヴィレッジを設計したのは、川辺直哉設計事務所。敷地の北東に冷熱源となる洗足池が控え、南北には高低差があるという特性を生かし、敷地中央に中庭を設けて室内に風や光を通す設計をしています。建物内に風を通す工夫もポイントですが、次から具体的に見ていきましょう。
中庭

地上階の中庭にシンボルツリーを設け、左右に2戸ずつ振り分けて、住戸ごとの開口部が多く取れるようにしている


>次ページからは、住戸プランの工夫などについて詳しく見ていきましょう。
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